観客がロケット花火を浴びる奇祭
「台南鹽水蜂炮(南蜂炮)」

 蜂が巣から飛び出したかのような過激な蜂炮(ロケット花火)と爆竹が激しく飛び交う祭りで、世界三大民族祭りの中のひとつ。

 19世紀末この地で伝染病が蔓延。医療が発達していなかった当時、死者は日に日に増えパニックに陥った住民は「関聖帝君」に助言を求めました。

 「関聖帝君」は元宵節の夜、自ら神輿に乗り「周倉爺」という神様を先頭にし、信者と共に爆竹を鳴らしながら街を練り歩き、夜明けまで厄除け巡行を行ったという伝説が由来となり、毎年の恒例行事として元宵節に行われるようになったと言われています。

 この祭りのクライマックスは、観客自らがロケット花火を浴び、1年間の無病息災を祈る光景。

 フルフェイスのヘルメットを被り、綿の分厚いジャンパーと手袋を着用。首にはタオルを巻き、完全防備で足踏みしながら火を浴びるこのイベントは、初めて目にする人々にとって奇奇怪怪に映るかもしれませんが、一味違った台湾の伝統祭りを味わえるでしょう。

台南鹽水蜂炮

開催地 台南市鹽水區武廟路87號(鹽水武廟)
交通 台鉄新營駅よりタクシーで約20分
開催日程 2019年2月19日(火)~20日(水)
https://www.facebook.com/Yenshuiwutemple/ (中国語)

2019.02.01(金)
文・撮影=矢作晃之