百恵ちゃんとドライブできるなら

こちらもファイナルコンサートの模様。最後は、マイクをステージ中央に置いて、静かにステージを去った。(C)文藝春秋
こちらもファイナルコンサートの模様。最後は、マイクをステージ中央に置いて、静かにステージを去った。(C)文藝春秋

 女優としての山口百恵も鮮烈でした。特にTBSドラマの「赤いシリーズ」は忘れられない。「赤い迷路」「赤い衝撃」といった具合に、すべての作品名に「赤い」という形容詞が冠される。

 ちなみに、「赤いシリーズ」以前には、田宮二郎さんの「白いシリーズ」があったんですよね。こちらのタイトルは、「白い滑走路」「白い秘密」といった感じ。

 「赤いシリーズ」では、ほとんど宇津井健さんが共演に名を連ねています。

 CKBのアルバムでは、よくギタリストの小野瀬雅生さんが、「クレイジーケンバンド!」というサウンドロゴを叫んでいますが、20年ほど前、このフレーズを録音する際には、「『赤いシリーズ』の宇津井健が切羽詰まってる感じで!」と指示したんですよ(笑)。

 OKを出すまで、30テイクぐらい録ったかな。何度も、「もっと宇津井健っぽく!」と繰り返しました。

 80年に百恵ちゃんと三浦友和さんが結婚した時は、ショックを受けましたね。喪失感が相当大きかった。

 CKBの楽曲「廃車復活」(『FLYING SAUCER』所収 作詞・作曲/横山剣)には、♪ 不入斗のあの娘は結婚したよ 癪にさわるぜ―― という歌詞があるんですが、これは、まさに百恵ちゃんのことを歌っているんです。

 もしも百恵ちゃんとデートできるなら、やっぱり横須賀をドライブしたいですね。

 三笠公園を後にしたら、「マボチョク」と呼ばれる馬堀海岸の直線道路を駆け抜け、走水の海のゴツゴツした岩場を横目で見ながら観音崎へ。

 その時に乗る車は、百恵ちゃんに恋焦がれていた時代の僕が憧れていた、セリカ1600GTがいいな。

横山剣 (よこやま けん)

1960年生まれ。横浜出身。81年にクールスR.C.のヴォーカリストとしてデビュー。その後、ダックテイルズ、ZAZOUなど、さまざまなバンド遍歴を経て、97年にクレイジーケンバンドを発足させる。和田アキ子、TOKIO、グループ魂など、他のアーティストへの楽曲提供も多い。2018年にはデビュー20周年を迎え、3年ぶりとなるオリジナルアルバム『GOING TO A GO-GO』をリリースした。
●クレイジーケンバンド公式サイト http://www.crazykenband.com/

Column

横山剣の「俺の好きな女」

東洋一のサウンド・マシーン、クレイジーケンバンドを率いる横山剣さん。その常人の域を超えた旺盛なクリエイティヴィティにインスピレーションを与える源泉のひとつが、魅力的な女性たちの存在。これまでの人生で恋し憧れてきた、古今東西の素敵な女性について熱く語ります!

2018.12.30(日)
構成=下井草 秀(文化デリック)