フレンドリーな村を散策
ヘルシーな料理に舌鼓
![村の中心部にある広場で入村式。並ぶ彫刻は、村にある8つの集落の頭目を表したもの。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/6/-/img_46d10d27c24b2c019cf9cacb53bbc049423031.jpg)
嘉蘭村を訪れて最初に行うのは入村式。
訪れた旅人を家族として迎える儀式で、ここで悪いものを落としてから村に入るよう、そして楽しい旅となるよう、ルカイ族の言葉でお祈りをしてくれる。緑の風を感じていると、禊をしているような神聖な気持ちになる。
![頭目の家には、かつての戦いの道具も残されていて、資料館のよう。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/4/0/-/img_4060a19324a5246c426a1757050c5562283208.jpg)
嘉蘭村にはいくつかの集落がある。それぞれのリーダー役を務めるのが「頭目」だ。頭目はほぼ世襲制で、男女を問わず第一子に引き継がれるという。
このツアーでは、頭目のご自宅にも何軒かお邪魔するのだが、どのお宅でも熱烈歓迎ムード。ルカイ族はフレンドリーなのだ。
![集落に伝わる伝説や、先祖から伝わるルールが描かれている家。一目で「頭目の家」ということが分かる。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/f/7/-/img_f7ecfee29181e051434a46a285a1cc7e254933.jpg)
頭目の家の外観は一見するとまるで博物館かオブジェのように見える。そのユニークな装飾に込められているのは、大切なメッセージ。
私たちと同じように、インターネットやスマートフォンなど便利な機能を使って生活しながらも、伝統を受け継いでいるのが素晴らしい。
![集会所では、幼稚園児たちがお祭りに向けて踊りの特訓中。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/a/-/img_0aeb4ff3386f543e5bf241a2f92487ff384761.jpg)
村の人たちがよく集まる場所が、集会所だ。この日は偶然にも、村のお祭りに向けて、幼稚園児たちが伝統舞踊を一生懸命に練習中。
色鮮やかな伝統衣装をまとった子どもたちが可愛らしい! 見学しているつもりが、みんな人懐っこくて、あっという間に囲まれてしまった。
![集会所に残された伝統的な建物。中は思いのほか広々とした空間。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/c/a/-/img_ca715ba870aa18cc0ed963cec3ead3d9381647.jpg)
集会所には、伝統的な石積み工法の家も残されている。ここに各集落の頭目たちが集まり、トップ会談が開かれることも。
中に入ってみると、敵の侵入を見張るために作られた穴が作られていたり、涼しく暖かく暮らす工夫がされていて面白い。
![村で育てた豚や野菜を使った料理。畑に実るキヌアを贅沢に混ぜたご飯との相性も抜群。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/2/0/-/img_20232f7b121174d58afb57658b9c0a49221792.jpg)
食事は、ランチ、ディナーともに村内の食堂で。メニューは、オーガニックの野菜や、豚の燻製、スーパーフードのキヌアをたっぷりと混ぜたご飯、味噌汁など。
一般的に思い描く台湾料理とはずいぶんと異なるけれど、栄養たっぷりで身体に染み入る感じがいい。滋味深くて、ヘルシー志向の女性はとくに気に入るはず。
![出汁がきいた味噌汁は、和食にも近い味わい。](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/0/7/-/img_07c7465f68146bb1a3ba83d6195cf08b201656.jpg)
本来、同じ部族は一つの大皿から分け合って食べるのが習慣。ただし食堂では、料理も盛り付けも現代風にアレンジして、食べやすくしている。
昔は、客人が来たときも大皿で分け合い、仕草やマナーから、相手の性格を読み取ることもあったのだとか。これも生活の知恵なのかも。
![食後の腹ごなしは、ルカイ族に伝わる的矢体験。頭目は一発で真ん中に矢を当てた。さすが!](https://crea.ismcdn.jp/mwimgs/a/3/-/img_a38a4c40f2a0776b6faecc59bd2cb409270981.jpg)
「サーパオ」。ルカイ族の言葉で「ありがとう」とお礼を言って、その日の宿泊場所である、隣村の新興へ。
嘉蘭村のルカイ族と新興村のパイワン族の間はネットワークが築かれているから、タイミングよく送迎をしてくれる。公共交通機関がなくても移動はスムーズだ。
2018.12.22(土)
文・撮影=芹澤和美
コーディネイト=Shon Feng