未だ衰えない人気を誇る台湾の観光地、九份。鮮やかな赤い提灯が灯る幻想的な夜の光景は、どこかで見たことがある方も多いのではないでしょうか。台湾に来たからには誰もが一度は訪れたい場所のひとつとして、よく名前があがる観光名所でもあります。

 しかし実際に来てみると、写真や映像どおりの光景に感動する一方で、あまりの人の数に圧倒されて、疲れきってしまったという話もよく耳にします。

 そこで今回は、コーディネーターおすすめの、なるべく疲労をためない推奨ルート、そしてベストポイントをおさえた楽しみ方をお伝えいたします。

 本来は美しい景色と、漂う古き良き雰囲気に、気持ちが穏やかになるスポットです。ぜひ何度でも訪れて、九份の良さを堪能してください。

九份を楽しむための3つのポイント

 有名な茶芸館が軒を連ねる「豎崎路」をはじめ、坂道が多い九份。ルートを誤ると坂を登り続けなければならず、特に気温の高い日や雨の日などはかなりの体力を消耗。テンションもガタ落ちとなってしまうかもしれません。今回紹介する黄金コースは、「登らない」ことが大きなポイントです。

(1) 効率のいい交通手段は?

 台北市内からの交通手段は、行きはバス、帰りはタクシーがおすすめ。往路のバスは、MRT忠孝復興駅2番出口から出てすぐにバス停がありますので、「1062番 金爪石」行きへ乗車しましょう。2017年8月現在はこの場所ですが、台北のバス乗り場はよく変更になり、この九份行きのバス停も何度も場所が変わっています(現在の位置は2017年4月1日より)。

 古いガイドブックなどの情報とはすでに違ってしまっていることも多いので、お出かけ前にインターネットなどで最新の情報を確認することをおすすめします。

忠孝復興駅2番出口。向かって左にある道を進んですぐの場所にバス停があります。

 バスは片道98元(2017年3月1日より)、乗車時間は1時間15分前後。ICカードの悠遊卡も使え、その場合は料金も少し割引になります。カードなら、乗車時下車時の両方でカードリーダーにタッチします。

 下車停留所は「九份老街」。そこからすぐの場所にあるセブン-イレブンが、九份老街の入り口です。

九份老街の入り口は、セブン-イレブンが目印。トイレは向かって右手に。

 あとはただひたすら道なりに基山街というストリートを歩き続けると、あの有名な景色が広がる豎崎路の階段ロードに到着します。豎崎路ではぜひ茶芸館で、食事やお茶を楽しみたいところ。九份らしい素晴らしい景色を堪能できる穴場店を、後ほどご紹介いたします。

朝9時前の九份老街。9時を過ぎたら観光バスが到着し、賑わいはじめます(ショップの開店は10時以降が多い)。

 そして思う存分満喫したあとも、来た道を戻る必要はありません。そのまま下って行くと、派出所と大きな通りが見えてくるので、そこがゴールです。

 バス停もありますが、いつでもかなりの込み具合。乗り合いで安く利用出来るタクシーが待機していますので、台北までさくっとタクシーで帰るという流れが黄金コース。料金は1台1,000元程度。乗り合いの場合は4人乗車でひとり250元が相場です。

(2) 公衆トイレを事前にチェック!

 公衆トイレは2カ所。九份老街入り口と豎崎路の階段の途中にあります。階段踊り場にある「昇平戲院」も入場無料の劇場なので、利用することができます。

(3) レインコート持参が賢い!

 雨が多い九份。折り畳み傘を携帯されている方も多いでしょうが、おすすめはレインコート。特に混雑時は傘を差しているととにかく動きづらく、ストレスや疲労感も倍増。九份到着後に雲行きが怪しいようなら、九份老街入り口にコンビニが2カ所あるので、現地で購入するのもひとつの手です。

 また、冬場は異常に寒さを感じますので、携帯カイロは必須。もし忘れた場合には、豎崎路の階段への曲がり角の所にある、やや古めかしい商店で買うことができますので、覚えておいて損はないでしょう。

2017.09.05(火)
文・撮影=矢作晃之