◆たれ焼肉のんき
[神楽坂]
あの肉神様が疑問に思ったこと
「最近は部位分けが細かすぎる」
東京メトロ飯田橋駅を降り、坂を上がる。毘沙門天手前の小道を入ると、見えてきたのが「たれ焼肉のんき」。
四谷三丁目などに店舗を構えるホルモン焼きの人気店、のんきの新業態が2018年10月11日にオープンした。テーマはずばり“たれ焼肉”。
BGMにはピンクレディーや山口百恵が流れ、昭和感たっぷり。また、システムがなかなか画期的。
人気焼肉店というと何カ月も先まで予約がいっぱい、思い立った時に行けないことが多いご時世を払しょくするべく、予約席は約半数の20席まで、残りの17席は当日来店客用に確保しているのだ。
まずは、おつまみからもらいましょう。キムチ(500円)はほんのり魚介のうまみを感じるひと皿。ナムル(500円)は混ぜナムル式にしてある。
生ビールモルツ(550円)で乾杯! ほかにハイボール、レモンサワー、焼酎各種、虎マッコリ、グラスワインもあり。ノンアル派にはオールフリーを。
兄弟店「赤身とホルモン焼 のんき」でも人気のセンマイ刺し(600円)。
イカフェ(600円)やチャンジャ(500円)も箸休めにいい。グリーンサラダ(800円)や春菊サラダ(800円)など、サラダ系もばっちり。
新しくクリエイトしたのが、レバーユッケ(1,000円)。牛レバーを低温調理したもの。卵の黄身を崩していただく。
さて、そろそろ肉を焼きますか……、えっ、3種類だけ!?
「はい、タン塩、赤、白の3本立てです」と、登場したのは、のんき社長の荻野氏。
いったいどういうことなんですか!?
「かねてより大阪のたれ焼肉を東京でやってみたかったんです。そこで、大阪の大衆焼肉の真髄を知る光山社長に “大衆たれ焼肉大使”を勝手にお願いし、アドバイザーとして意見をもらいました」
「はーい、光山です」。うわっ、びっくりした! 「肉山」創業オーナーの光山さんではないですか!
「最近の東京の焼肉屋さんは、部位分けがあまりにも細かいし、そこまで分けて提供する必要あるんかな? とずっと思っていました。いや、今も思っています。もっとざっくり肉を喰らう! ってことがでけへんかな? そのためにはどないしたらええんかな?」と、考え出した必殺技が、
「タン塩、赤、白のみ。以上」……潔い! よすぎます!
「ちなみに、“大衆たれ焼肉大使”を商標申請中です(笑)」
……そ、そうですか(笑)。
では、タン塩200g(100g 1,200円)から。ここ数年、タンとハラミはほんとうに高い。そんななかこのクオリティのタンがこの値段でいただけるとは! なんともすばらしい。
2018.11.11(日)
文・撮影=Keiko Spice