観る側の心の奥深くにまで
突き刺さる作品
壮大なスケールの絵画やオブジェ制作によって独自の表現を生み出し続けるのが鴻池朋子。民俗学的な視点を取り入れたり、神話をはじめ人類の「物語る力」を借りて構成をつくったりすることで、観る側の心の奥深くにまで突き刺さる作品が立ち現れる。今展では「狩猟採集」をテーマに据え、今年獲れた熊や鹿の毛皮、奥羽山脈の地形などを直接・間接に用いて展示をつくった。東北の「場の力」を感得したい。
『鴻池朋子 ハンターギャザラー』
会場 秋田県立近代美術館(秋田・横手市)
会期 開催中~2018年11月25日(日)
料金 一般 1,200円(税込)ほか
電話番号 0182-33-8855
http://www.akita-abs.co.jp/konoike/
山内宏泰(やまうち ひろやす)
ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「写真を読む夜」「文学ワイン会 本の音」などの催しも主宰。新刊に『文学とワイン』(青幻舎)。
https://twitter.com/reading_photo
Column
山内宏泰のこの1枚に会いたい!
美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。
2018.09.15(土)
文=山内宏泰