風が通るテラスでかき氷をいただく
さて、今日のお目当てはかき氷です。夏になると一度は食べておかないと、という気持ちになるかき氷。いちごやメロンのシロップに、練乳をたっぷりかけて……と、子どもの頃に心ときめかせたかき氷の印象とは違い、涼しげなガラスの器に盛られたのは繊細な氷。その上には宇治抹茶と徳島の和三盆糖で作ったという特製の抹茶蜜が。口どけも蜜の味わいもやさしく、ひとくち、またひとくちとすすむごとに、体がひんやり。食べ終える頃には、京都の夏の暑さもすっかり忘れてしまうほどなのです。
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涼やかな気持ちにさせてくれるのは、かき氷の冷たさだけではありません。庭に面したテラスの席に座っていると、時おり風鈴が風に揺られて、ちりん、と鳴り響く。「ああ。今、風がすり抜けた」。ふだん、忙しい毎日を送っているとつい見過ごしてしまいそうな、ささやかな幸せに気づかせてくれるのです。
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テラスの席でお庭を見ながら。中のテーブル席で本棚に置いてある本を眺めながら。どちらにしても席を立つ頃には心が落ち着いて、充実した気持ちになっている。京都に来て、まずはお茶と甘いものでも……と思った時に、まずここが頭に思い浮かぶ理由って、こんなところにあるのだなと思います。
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2012.08.31(金)