ウルトラマンになりたくない主人公をどう導くか
――今回主演された映画『ウルトラマンサーガ』ですが、最初に依頼を受けたときの感想はいかがでしたか?
お話をいただいたときは、マジで……ビックリという感じでしたよ! この役は演りたくても、そう簡単に演れる役じゃないですから。だから僕でいいのかな、という部分もあったんですけど、オファーの理由を聞くのはやっぱ野暮じゃないですか(笑)。まぁ、これまでにも、よくいろんな方から「昔、戦隊モノやってたよね?」と勘違いされていたし、そういうところから通じるものがあるのかな、と思うようにしました。それに、過去にロック・ミュージシャンでウルトラマンを演った人もいないので、自分にとっての挑戦の意味も込めて、僕なりのステキなウルトラマンを演りたいと思いました。
――今回演じられたタイガは、ウルトラマンになりたがらない主人公でしたが、どこかDAIGOさんに重なるところもありますよね?
僕は早く変身したかったんですけど(笑)、なんか斬新なストーリーなんですよね。台本を見たら、僕のキャラクターも加味しつつの、ちょっとライトなキャラクターだったし、とても攻めている感じがしましたね。“現代のウルトラマン”を作ろうとしている意気込みを感じたので、最初のシーンの方では、よりライトなノリで、タイガという役を演じさせてもらいました。それが時にストイックになったり、過去のトラウマに立ち向かったりするシーンでは、自分なりにガッと気持ちが入りましたね。でも、この映画の主役はあくまでもウルトラマン。自分としては、ウルトラマンになりたくないタイガをウルトラマンにどう導けるか、それが与えられた任務だと思って演じました。
――特撮映画ならではのグリーンバックでの撮影など、特殊な環境で演じることについてはいかがでしたか?
目の前にないものをある、と感じながら演じるという現場だったんですが、そのへんは思い切りよくやろうと思ってました。あと、ワイヤーに吊るされたりもしたんですけど、それも楽しかったです。変身シーンは昔のウルトラマンのようにポーズを決めるんじゃなく、全自動というか、オートで変身していっちゃうから、撮影のときは変身してる実感がなかったんですよ。でも、完成した作品では自分の想像を超える変身シーンになっていたので、やっぱりウルトラマンになったんだな、という感動がありましたね。大変だったのは、特撮に関係ない、ひたすら走るシーン。あと、子役の男のコを抱えても走ったんですけど、意外と重かったですね(笑)。
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2012.03.23(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Mami Yamada