ウルトラ戦士とわずかな地球人が、謎の侵略者に制圧された地球を救うために戦いを繰り広げる、シリーズ最新作『ウルトラマンサーガ』。バンド「BREAKERZ」のヴォーカリストとして活動する一方、バラエティ番組などでお茶の間のアイドルとなったDAIGOが、ウルトラマンゼロに変身する青年・タイガを演じている。
オリジナルの道を歩んでいくことが、自分のなかでのロック
――BOØWYの「MARIONETTE」を聴いたことをきっかけに、音楽に目覚められたDAIGOさんですが、俳優として演じることに憧れはあったんでしょうか?
世代的に、いろんなトレンディドラマを見ていたんですが、自分が演じるとなると、どこかかけ離れたところにあるものに感じていましたね。でも、30歳を過ぎて、バラエティ番組などに出たことで、いろんなことに挑戦しようというスタンスが生まれて、オファーが来る仕事はいろいろやりたいなと。そのなかに俳優の仕事があって、やってみたらそれはそれで楽しさがあったんですね。
――自分はミュージシャンだから演じることはちょっと……という考えはありませんでしたか?
昔は音楽だけを頑なにやり続けることが、自分のロックってものの在り方だと思ってたんですよ。実際、そういう考え方をされるロッカーの方も多くて、僕もリスペクトしていて。でも、自分自身の活動を考えたときには、「自分オリジナルの道を歩んでいくことが、自分のなかでのロックなのかも」と考えるようになっていったんです。さらに、演じるからには、一人の人間として役を全うして、いい作品に結びつくように頑張りたいなと。今後も、自分が何かすることで人に楽しんでもらえるなら、いろいろ挑戦していきたいという考え方ですね。
――「BREAKERZ」の前に活動していた、ソロ・ユニット「DAIGO☆STARDUST」時代は、“星から舞い降りたロック王子”というキャラを演じていましたよね?
あのときももちろん演じていた部分があったんですけど、所詮は自分の台本なんですよ。自分のクリエイティヴで、自分でパフォーマンスしているだけですから。でも、ドラマや映画は、もともと他人が書いた台本があって、それに沿って自分が演じることで生まれる、共同作業ならではのモノ作りだと思う。与えられたもののなかで、自分がどうやるか。そこはスタンスが違いますね。
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2012.03.23(金)
text:Hibiki Kurei
photographs:Mami Yamada