ファミレス会議から生まれた
個性的なバンド名

――そんななか、同級生である若井さんをバンドリーダーに据えた理由は?

 若井とは中学のバンドを解散し、高校が別々になり、1年ぐらい距離を置いていたんです。僕はあえて通信制を選んで、高校生のあいだにしっかりデビューというかたちにしようとしていたんですが、久しぶりに若井と会ったときに、一緒に音楽をやりたい気持ちが変わっていなかったんです。それで改めて、メンバーに誘ったんです。僕と若井は最年少ですが、僕が曲を作っているという、いちばん核となるところをやっていることもあり、若井には僕に乗っかった感じでメンバーになったと思ってほしくないし、それによって2人の関係性がアンバランスになるのが嫌だったんです。だから、彼に責任の大きいリーダーを任せたんです。それによって、若井はモノの見方とか、スゴく変わった気がしますね。

――個性的なバンド名については、どのような意味があるのでしょうか?

 メンバーが集まって、ファミレスで会議をしたんですが、食べ物や動物など、誰もが聞いて分かる名詞がひとつほしいと思っていました。全然思いつかないので、メニューを見始めていたら、前任のベースが「GREEN APPLE」と言ったんです。それだと爽やかすぎるので、どこか中性的なイメージというか、当時の精一杯のオシャレみたいなものを入れたいので、僕が「Mrs.」を提案したんです。ミスチルさんがいらっしゃるので、「Mr.」だけは避けようと思っていました。どこかアンバランスさも面白いですし、バンド名は略されてナンボだと思っているので、「ミセス」と呼ばれたい気持ちもありましたね。

2017.08.18(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘