エピソード1の冒頭、菊池風磨は語る。
「まあ、ある種バブルだと思ってるわけですよね。だからはじけると思うんです、これいつか。それがもしかしたら3カ月後かもしれないし、半年後なのかもしれないし」
「ここからtimelesz(タイムレス)というグループを、どれだけチョイスしてもらえるか。どれだけライブに来たいと思ってもらえるか。もっというと、手に取ってもらえるか」
「本当のオーディションが始まったといっても、過言ではないと思いますね」
STARTO ENTERTAINMENT所属のアイドル自らメンバーを選ぶという異例のオーディション『timelesz project』から早一年。timeleszの2025年上半期のテレビ出演本数は驚異の211本。わずか4カ月で表紙を飾った雑誌は20誌以上にのぼる。さらに、グループの冠番組『タイムレスマン』(フジテレビ系)が、金曜22時枠へ昇格する。2025年は贔屓目なしに、timeleszの一年だったと思う。
この冬から配信が始まった『timelesz project -REAL-』(Netflix)は、新生timelesz始動から、2大ドーム公演を実現するまでの一年間に密着したドキュメンタリーだ。そこには、一大ブームとなった“タイプロ現象”を、誰よりも冷静に見つめるメンバーたちがいた。
前作は「終わりなきオーディション」の始まりだった
あらためて“タイプロ”は、timeleszの仲間探しプロジェクトでありながら、国内トップの芸能事務所に所属する現役アイドルの美学がにじむ“仕事論”ドキュメンタリーであり、オリジナルメンバー3人(佐藤勝利、菊池風磨、松島聡)のプロモーションムービーでもあった。とりわけ旧ジャニーズは、熱量の高いファン文化ゆえ、外からは閉じた世界に見えやすいが、タイプロはその垣根を越え、佐藤・菊池・松島それぞれの魅力やアイドル観、そして彼らの誠実な人間性が伝わる映像になっていた。
特に最終審査は「どの候補生が三人に選ばれるのか」という文脈で紡がれてきた物語の視点が大きく反転し、3人にスポットが向けられた瞬間だった。Sexy Zone後期の代表曲であり、中島健人と平野紫耀がW主演したドラマの主題歌でもある「RUN」を課題曲に据えたこの審査は、候補生以上に、3人の覚悟が問われる場でもあった。
候補生たちが歌う『RUN』は、「新しいメンバーを受け入れられるのか」ひいては「中島健人の不在を乗り越えられるのか」という究極の問いを、3人へ突きつけていたように見えたのである。それと同時に、世間を巻き込んだこの壮大な物語が、最後の最後に3人のもとへと帰結したようにも感じた。
