ミュージシャン目指して、不登校?

――その後、中学に入ってからはどのような音楽活動をされていたんでしょうか?

 小学校の卒業文集に「将来はミュージシャンになる」と書いていたこともあって、中学に入っても、ドラムをやってくれた親友とバンドをやる気満々だったんですが、その子が中学に入ると同時に引越ししてしまったんです。それで一回落ち込んだんですが(笑)、ベースだけじゃなく、ギターも弾けるようになりたいし、しっかり曲作りもしたい。だから、中学の3年間はバンドどうこうじゃなく、そこを強化する期間にできればいいかなと。メジャーデビューではなく、ミュージシャンになるための己のブラッシュアップというか。つまり、将来的に音楽をやっている自分を見据えていたと思います。

――そんな中学のときには不登校にもなられたようですが、その理由を教えてください。

 とにかくミュージシャンになるという目標があったので、家で曲を作っていただけなんです。引きこもっているというより、ちゃんと音楽制作という別の場所があったし、たまに学校に行くことに関しても、まったく抵抗感がないというか、不登校という自覚がまったくなかったんです。もちろん親も心配していたし、兄貴に「学校行けよ」と殴られたこともありました。でも、中1の終わりぐらいには事務所のオーディションに合格して、ちゃんとライブで演奏している自分を見てもらったことで、真剣に音楽に取り組んでいるということを認めてもらいました。そのときにはすでに30~40曲のオリジナル曲ができていましたし。

2017.08.18(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘