3年以上を費やし完成された新作
ペンのみを手に尋常でない細かさで描写を重ねていくのが画家・池田学の制作手法。東日本大震災を機に描き始め、3年以上を費やし完成された新作《誕生》は、郷里の佐賀県立美術館で初披露され、同館の最多入場者数記録を打ち立てた。その作品が東京にやって来る。
巨大な画面を目の前にすれば、自然の大きさ、時間の堆積、その中に存在する人間の営みとは……、あらゆる感情と思考が押し寄せ止まらなくなる。
池田 学展『誕生』
会場 ミヅマアートギャラリー(東京・市谷田町)
会期 2017年7月26日(水)~9月9日(土)
電話番号 03-3268-2500
料金 無料
http://mizuma-art.co.jp/
山内宏泰(やまうち ひろやす)
ライター。著書に『上野に行って2時間で学びなおす西洋絵画史』(星海社新書)ほか。「写真を読む夜」「文学ワイン会 本の音」などの催しも主宰。新刊に『文学とワイン』(青幻舎)。
https://twitter.com/reading_photo
Column
山内宏泰のこの1枚に会いたい!
美術、写真、文芸その他について執筆するライター、山内宏泰さんがナビゲート。いま見逃せない美術展をテーマに沿ってご紹介する、アートの“ななめ歩き”の提案です。
2017.07.30(日)
文=山内宏泰