無理って思ってたことって案外簡単なことだったんだ
この旅で、私のアメリカに持っていたイメージは大きく覆されました。太った人が多くって、お料理のポーションは全部ものすごく多くて、英語ができないと無視される……なんて勝手なイメージを持っていたのですが、違っていました。
というか、全員がそういうわけではないってことに気がつきました。まあ、当たり前ですよね。
ビーガンカフェや創作メキシカンのお店は、店内の雰囲気も雑誌「KINFOLK」に出てきそうな感じのおしゃれシンプルカフェ系。お料理も少なめ(それでも私には多かったけど)で、野菜たっぷりで薄味。毎回そんな料理ばかり食べていたので、普段よりも胃の調子がいいぐらい。
ダウンタウンでは1920年代のビルをリノベしたACEホテルに泊まりました。
古いものをそのまま生かし、センスのいいシンプルな家具とグッズが置かれ、すっかり気に入りました。
カフェやレストラン、ショップ、エリア、ホテルと好みの場所がとてもたくさんあり、国とか関係なく、好みが近い人たちって世界中にいるんだなあーと改めて感じることができました。
旅を終えて思うことは、「無理って思ってたことって案外簡単なことだったんだ」ってこと。自分が勝手に高いと思っていたハードルは、楽々こえられるものばかりでした。
英語はいま勉強中ですが、ビギナー。でも笑顔には自信があります。笑顔でいれば、お店の人も道行く人も親切にしてくれるし、わからないことは教えてくれます。「ありがとう、こんなにやさしくて」「そっか、教えてくれてうれしい」って周りの人に感謝ばかりの日々でした。
次は笑顔プラス英語で、さらに旅を楽しみたいなと日夜頑張っています。三拠点生活をスタートしてから移動に対する抵抗感は全くなくなったので、そのうちロサンゼルスもヒョイっと気軽に行けるようになりたい、きっとなれるんじゃないかなーと自分の成長が楽しみです。
最後にお知らせです。
2016年11月11日(金)から、東京・代官山で個展を行います。
三拠点目の福井でスタートした「千年陶画プロジェクト」。その2年間の集大成として新作も含めて150点ほど展示する予定。ぜひお越しください。
「福馬福鳥」
会期 2016年11月11日(金)~23日(水・祝)
時間 11:00~19:00(最終日は18:00まで) ※木曜休
場所 ギャラリースピークフォー
http://blog.galleryspeakfor.com/?eid=725
松尾たいこ(まつお・たいこ)
アーティスト/イラストレーター。広島県呉市生まれ。1995年、11年間勤めた地元の自動車会社を辞め32歳で上京。セツ・モードセミナーに入学、1998年からイラストレーターに転身。これまで300冊近い本の表紙イラストを担当。著作に、江國香織との共著『ふりむく』、角田光代との共著『Presents』『なくしたものたちの国』など。2013年には初エッセイ『東京おとな日和』を出し、ファッションやインテリア、そのライフスタイル全般にファンが広がる。2014年からは福井にて「千年陶画」プロジェクトスタート。現在、東京・軽井沢・福井の三拠点生活中。夫はジャーナリストの佐々木俊尚。公式サイト http://taikomatsuo.jimdo.com/
Column
松尾たいこの三拠点ミニマルライフ
一カ月に三都市を移動、旅するように暮らすイラストレーターの松尾たいこさんがマルチハビテーション(多拠点生活)の楽しみをつづります。
2016.10.29(土)
文・撮影=松尾たいこ