手嶌さんが選ぶ、「息づかいを感じる」PLAYLIST
◆ Ella & Louis / Ella Fitzgerald & Louis Armstrong
しゃがれた声だけど、優しく温かい
ジャズの王様とも言われるルイ・アームストロングと、女性ジャズボーカリストのエラ・フィッツジェラルドによるデュエットアルバム。
「ルイ・アームストロングのかすれ声がよく聴こえますね。ガラガラしているのに優しく聴こえるのが不思議でたまりません」(手嶌さん)
◆ 帰ってほしいの/ジャクソン5
当時11歳のマイケルの美声を堪能
1969年発表のジャクソン5のファースト・アルバム。リリース時11歳だったマイケル・ジャクソンの歌声を堪能できる。
「中でも『Who's Lovin' You』が好きです。OTTAVAでは高音が割れずに、マイケルのキレイな声を気持ちよく聴くことができました」(手嶌さん)
◆ 紅の豚サウンドトラック/久石 譲
ピアノの旋律が美しく響き渡る
1992年の夏に公開されたジブリ映画『紅の豚』のサントラ盤。
「加藤登紀子さんが歌う、『さくらんぼの実る頃』をよく聴いています。OTTAVAは音量を上げなくても低音がちゃんと響いていて、聴き応えがありますね。繊細なピアノの音も美しく聴こえます」(手嶌さん)
◆ WANT TWO / RUFUS WAINWRIGHT
暗い中低音が響き、世界観に浸れます
シンガーソングライターの両親をもつルーファス・ウェインライトの2004年の作品。
「高校生の時にずっと聴いていたアルバムです。暗い中低音がよく響くので、彼の陰のある表情がより鮮明に浮かび、その世界観に浸れます。声の素晴らしさもよくわかりますね」(手嶌さん)
◆ ジェームス・ディーン・ストーリー/チェット・ベイカー
ジャズの演奏のディテールを味わう
ジェームス・ディーンの伝記映画のサウンドトラックを、チェット・ベイカーがジャズにアレンジした作品。
「その時々で、演奏するメンバーの誰が今前に出たいのかがよくわかります。スピーカーに背を向けて聴いても、よく聴こえるのがすごい」(手嶌さん)
◆ 青い図書室/手嶌 葵
微かな息づかいまで聴こえます
この秋リリースした約2年ぶりのオリジナルアルバム。手嶌さんご自身で作詞した曲も2曲収録。
「いつもはなかなか感じられない息を吸う時の音や最後の息づかいまでちゃんと聴こえます。ほかの方の歌を聴く時にも息継ぎのタイミングなどの勉強になりそうです」(手嶌さん)
手嶌 葵(てしま・あおい)
1987年6月21日福岡県生まれ。映画『ゲド戦記』主題歌「テルーの唄」でデビュー。その後、映画『コクリコ坂から』の主題歌「さよならの夏~コクリコ坂から~」や月9ドラマ「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」の主題歌「明日への手紙」でも話題に。今年6月にデビュー10周年を迎えた。最新アルバム『青い図書室』も好評発売中。
http://www.aoiteshima.com/
2016.10.14(金)
text=Hiroya Ishikawa
photographs=Norio Kidera、Masanori Wada