音楽と心地よい空間(2)
Technics × 青野賢一

“流して聴いても集中して聴いても楽しめる自由度の高さが魅力”

小さい音でもバランスは抜群

 BEAMSに所属する青野賢一さんの仕事は服飾関係に留まらない。BEAMS RECORDSのディレクターやDJ、選曲家など、社内外で音楽に関する活動にも深く携わっている。好きだからこそ、家で音楽を聴く時は音としっかり向き合う。なにかをしつつ聴きはしないという。

「好きな音楽を聴いていると、それが気になってほかのことができないんです。だから聴く時はほかのことをしないで、ソファにどかっと座ってリラックスしながら、スピーカーの音にじっと耳を傾けます」

 音楽を仕事にする青野さんは、OTTAVA(オッターヴァ)の音を、実際のところどう感じたのか?

「オーディオの良し悪しは、小さい音で聴いた時にどれだけバランスよく聴こえるかどうかだと思っています。その点OTTAVAはたとえ微音でもディテールが埋もれず、音の輪郭がはっきりしている。それでいてベースの音など低音もちゃんと鳴っているのがすごいですね」

 とくに都市部の住環境ではあまり大きな音を出せないため、音量が小さくてもいい音を楽しめることは実用的にも重要なポイントだ。

 「左右のスピーカーの中心といったリスニングポイントが定まっていないので、部屋の中を動きながらの流し聴きでもストレスなく楽しめるし、いざ集中して聴いてみようという時にも威力を発揮してくれる。聴く側の自由度の高さも魅力です」と話す青野さん。

 OTTAVAが奏でるハイレゾ音源はどうだろう?

「録音された音の情報量が過不足なく引き出されていると思います。だから音の再現性がすごく高いですね。ジャズではドラムのブラシワークやウッドベースの弦を弾く音など細かい部分も聴きとることができました。だからソロをとる楽器のバッキングでこんな音が鳴っているんだっていう楽しみ方ができますね」

 オーディオをインテリアの一部として考えた場合、OTTAVAのすっきりしたデザインは、今の気分に合っていて、部屋のどこに置いても気にならないし、サマになるとも。

「CDプレーヤーのカバーが透明で、CDが回っている様子が見えるのは、ターンテーブルを作ってきたテクニクスらしい仕掛けで、すごくいい。配線を含めた設置方法や操作もシンプルで、わかりやすい。OTTAVAはオーディオって難しそうとか、面倒臭そうっていう概念をも変えられるオーディオだと思います」

●check point 3
リモコン、スマホ、タブレットからの操作が可能

 リモコンは本体の正面であれば、約7メートルの距離まで操作可能。スマートフォン、タブレット向けの専用アプリも用意され、聴きたい曲の選択や再生予約リストの作成も画面を見ながらスマートに行える。

「リモコンはデザインもスッキリ。インテリアにも合います」(青野さん)

●check point 4
LEDのライトアップで音楽鑑賞を特別なものに

 LEDによる柔らかな光でCDをライトアップ。回転するCDを美しく演出する。さらに本体正面の下にもLEDイルミネーションを搭載。インテリア感覚で設置して音楽を楽しむことができる。

「TPOによってはLEDを消すこともできる。その自由度もいいですね」(青野さん)

2016.10.14(金)
text=Hiroya Ishikawa
photographs=Norio Kidera、Masanori Wada

CREA 2016年11月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

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