日本のいい男市場、生産&供給率ナンバーワンの芸能事務所といえばジャニーズ。いい男が集まる事務所には、心温まるいい話があるもの。年に150本のステージを観ることもある生粋のジャニヲタで、ジャニーズを知らない人にその人の好みに合うグループを紹介する“ジャニーズソムリエ”を自称するライターが、“ジャニヲタの敵”とされる出版社で、ジャニーズ愛を叫ぶ。
“25年愛”ライターが語る“SMAPの素顔”
●SMAPのコンサートはここを見て!
ステージ上に5人が揃ったときの強さと美しさは無敵。彼らの言葉や音楽に身を委ねるだけで、3時間半の幸福が約束される。それほど5スマの生み出すエネルギーは強大、オーラは圧倒的だ。彼らが内包する愛が爆発し、5人の笑顔が降り注ぐ会場は“地上の楽園”。
仲良きことは美しき哉。カッコいい男子が素でわちゃわちゃと群れる様は、ジャニヲタの大好物だが、SMAPほど昔から“仲良しアピ”をしないグループも珍しい。「取材でも、メンバー全員でのクロストークはしたことがない」と、デビューから25年愛を貫くスマヲタライターは語る。
「2015年1月に新曲リリースのタイミングで行われた取材では、10誌がメンバーごとにライターを揃え、合計50人のライターが結集しました。インタビューは、1人のメンバーを10人のライターが囲む形。でも、撮影でカメラの前に5人が揃うと、クラクラするほどのオーラを放つんです」。
小道具をノールックで渡したり、空いたスペースを自然と埋めたり、「5人の呼吸の合い方は驚異的。言葉なんか交わさなくても、5人が信頼し合い、理解し合っていることがそれだけで伝わってきます」。それ故、撮影時間がどんなに短くても、捨てカットはほとんどないという。
「SMAP最大の魅力は、何度も試練に曝され、それを乗り越えてきた、神話のような“物語性”にあると私は思います。たとえば、SMAPのデビューが決まったとき、中居くんはジャニーさんに『草彅をメンバーにしてほしい』と直談判したといいます。森くんの脱退が決まったときは、中居くんは超有力幹部の静止を遮り、口下手な森くんのフォローをするために会見に駆けつけた。森くん最後のスマスマで『BestFriend』を歌いながら号泣し、2013年の“5人旅”では、カラオケで中居くんがまた号泣。翌年の27時間テレビでの森くんからの手紙も感動的。『いいとも』フィナーレで香取くんが泣きながら「そもそもなんで終わるんですか?」と訊ねたことも印象的でした。木村くん独立の噂が絶えなかった時期、稲垣くんが逮捕されたとき、剛くんが不祥事で芸能活動を自粛していたとき……、『もうダメかもしれない』と思う瞬間は正直何度かありました。でも、ちゃんと5人はその困難を乗り越え、あとで笑い飛ばしてくれた。今回の騒動もきっと乗り越えて、いつか笑い飛ばしてくれると信じています」
SMAPという存在が神話的なのは、その楽曲の多くが“人類愛”を歌っていることにも起因する。窮地に陥ったとき、彼らの歌を聴くと救われた気分になる。だから、2011年の東日本大震災以降、彼らの存在感は一層増し、彼らの歌は傷ついた人の心に届いたのだ。あらゆるピンチをチャンスに変えてきたグループ・SMAP。神アイドルが起こす、次なる奇跡が見たい。
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2016.09.02(金)
Text=Guriko Kurabe
Illustrations=Keita Mizutani
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