日本のいい男市場、生産&供給率ナンバーワンの芸能事務所といえばジャニーズ。いい男が集まる事務所には、心温まるいい話があるもの。年に150本のステージを観ることもある生粋のジャニヲタで、ジャニーズを知らない人にその人の好みに合うグループを紹介する“ジャニーズソムリエ”を自称するライターが、“ジャニヲタの敵”とされる出版社で、ジャニーズ愛を叫ぶ。

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伊野尾慧に見る“王子様キャラ”進化論

●Hey! Say! JUMPのコンサートはここを見て!
歌にダンスにチームワークと、見るたびに新たな発見がある。メンバー全員20代になってもまだまだ成長中。スキルの高さとフレッシュさを併せ持つライヴは、たとえるなら”お城型テーマパーク”。メンバーが共同生活するお城に招かれたような甘酸っぱいドキドキ感が。

 同じボーイズグループの中でも、ジャニーズにあってEXILEにないもの、それは“圧倒的なキラキラ感”、言い換えれば、“白馬に乗った王子様感”である。

 ジャニーズは、羽根やスパンコールやビジューをまとってナンボ。40代のSMAPやV6のメンバーも、ステージ上ではしっかりスターとしての輝きを放出しているし、バラエティではガテン系イメージのTOKIOであっても、デビュー曲「LOVE YOU ONLY」を歌えば、「熱い恋をするなら、相手は彼しかいない♡」と錯覚させるアイドルスマイルが炸裂する(白馬ではなく、トラクターに乗った王子かもしれないが)。

 基本的には、女の子の願望を満たす理想の王子様像を提供するわけだが、その王子様像が多種多様で、乱立しているのにキャラが被っていない。そこがジャニーズのすごいところだ。

 誰もが認める絶対的な王子キャラが光一だとして、同じく舞台で座長を務めるタッキーは“殿”。光一に憧れる山田涼介も王子キャラとはいえ、ドSな光一に比べたら雰囲気はずっと甘い。甘い言葉を囁く手越を猛追するのがセクゾの中島健人だが、明るさが突き抜けている手越に比べ、中島には陰がある。

 王子ならぬ“セクシーキング”なキャラは、木村から松潤、亀梨、藤ヶ谷ラインに受け継がれ、亜流では関ジャニ村上が、パーリーピーポーな“タカツキング”として共演するマツコ・デラックスの失笑を買っている。

 で、最近久しぶりに出た王子系の変異種が伊野尾慧。やる気があるのかないのかわからない、スーパーナチュラル男子は、言動に噓がない分癒し系でもある。バラエティなどで常に“神対応”を見せるコミュニケーション王・有岡大貴とのコンビもいい感じ。こうしてまた王子キャラは進化する。

●タッキー&翼のコンサートはここを見て!
これぞ、“ジャニコンの原点”。歌謡曲テイストの楽曲、会場をくまなく回るきめ細やかな演出、二人の強い絆、Jr.を統括するタッキーの後輩愛など、アイドルの“きほんのき”が詰まっている。タキツバのエンタメスキルの高さにも感動!

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2016.09.01(木)
Text=Guriko Kurabe
Illustrations=Keita Mizutani

CREA 2016年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いい男がいっぱいだと幸せ。

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