日本のいい男市場、生産&供給率ナンバーワンの芸能事務所といえばジャニーズ。いい男が集まる事務所には、心温まるいい話があるもの。年に150本のステージを観ることもある生粋のジャニヲタで、ジャニーズを知らない人にその人の好みに合うグループを紹介する“ジャニーズソムリエ”を自称するライターが、“ジャニヲタの敵”とされる出版社で、ジャニーズ愛を叫ぶ。

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崖っぷち感をさらけ出すライヴに感涙

●NEWSのコンサートはここを見て!
“超肉食系男子”手越の過激な煽りが笑いを誘うNEWSのライヴは、例えるなら“集団デート”。おしゃれ&笑顔番長のまっすーと、キャスターと作家の知性派コンビが、グループ存続に尽力したファンの愛に感謝。「ありがとう」が循環するほっこり感謝祭。

 かつて、NEWS、関ジャニ∞、KAT-TUNは、“3ユニ”と呼ばれ、嵐ブレーク前夜の2005~2008年頃は、SMAP人気に追いつかんばかりの勢いを誇っていた。

 が、各グループとも次々に人が減っていき、NEWSは2011年秋、絶対的エースの山Pを欠くことに。その翌年の秩父宮ラグビー場での4人でのライヴは、「みんなの声が僕らをこの場所に立たせてくれた!」とヲタとメンバーのNEWS愛を確かめ合う、涙涙の感動巨篇。4人でも立派にグループを存続できることを証明した(ちなみに歌うパートが増えた小山と加藤は、以来年々歌唱力が上がっている)。

 KAT-TUNもまた1人欠け、2人欠け、2016年5月の東京ドームコンサート以降、しばらくグループ活動を休止することに。5人のライヴ4人のライヴ3人のライヴ、いずれも完成度は高く、活動休止前のライヴで亀梨は「脱けていった3人のメンバーにも感謝を」と話し、ファンの涙を誘った。自分たちの崖っぷち感(“ギリギリで生きていきたい欲”)を正直にさらけ出せることもまたジャニーズ力。

 メンバーの離脱が、“私がついててあげなきゃ”な不憫萌えを加速させ、グループが苦境に立たされれば立たされるほど、ヲタの愛は深まるばかりなのである。

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2016.09.05(月)
Text=Guriko Kurabe
Illustrations=Keita Mizutani

CREA 2016年9月号
※この記事のデータは雑誌発売時のものであり、現在では異なる場合があります。

この記事の掲載号

いい男がいっぱいだと幸せ。

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