夫に依存せず、ひとり時間を楽しむ
まずはグリーンの水やりから
夫は忙しく、平日に家事を分担できる状況ではないが、特に不満はない。それは「依存するのをやめたから」という。昔は「どうしてこれくらいやってくれないの?」とか「いつも私ばっかり」といった喧嘩を、していなかったわけではない。けれどもそれらを突き詰めると、夫に依存している自分に気がついたと栗原さんはいう。
栗原さん自身、土日に仕事が入ることが多いので、そんなときには夫の出番だ。自分も夫も仕事で手が足りないとなれば、ほかの手を考える。
「依存しなければ、イライラせず楽ですよ」とニコリ。自分は今、何をしたいのか? ゴールは何か? そのために今やるべきことは何か? と、考える道筋がはっきりしている。自分に主体がしっかりあって、迷いがない。
そして栗原さんは、楽しみを見つけるのが上手だ。
「仕事でも家でも人とがっつり関わるでしょう? だからひとりの時間が好きなんです」
たとえば、朝夕に水をやりながらグリーンの成長を感じる。読書も好き。プールでひとりで泳ぐのも好きだし、山登りもまた自分と向き合えるからいい。子どもが小さい時にはひとり時間はなかなか取れなかったが、長女は既に中学生。来年は次女も小学生になる。少しずつひとり時間を増やすこともできるだろう。
透明感があって、どこか達観しているような雰囲気をもつ栗原さんだが、実は昨年病気を患った。入院し手術を受けたことで、それまで流されるままだった日常が、実はかけがえのないものだと気づいたという。
一番大切なのは、家族が仲良く楽しい関係を築くこと。そして健康でいること。
子どもとの蜜月はいつまでも続くわけではない。大変だと思うことは、毎日のようにある。けれども家族が仲良く健康にいられること以上に大事なことなんて、何もない。そう思えば、瑣末なことに囚われることはない。
「家族が一番大事。でもその気持ちがあるから、お客様の『家族を想う気持ち』にリンクできるんです。一期一会の縁を大切にして、お客様が10年たっても20年たっても見返して幸せな気持ちになれるような写真を撮っていきたいです」
Column
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2016.09.27(火)
文・撮影=HITOMINA
写真=栗原美穂