自分を育ててくれた監督や仲間との出会い
――その後、自主映画を撮るようになるのは多摩美術大学に入学されてからでしょうか?
高校ぐらいから、友達とビデオカメラを回して、ショートコントみたいなものというか、今でいう「やってみた」動画みたいなものを撮っていましたね。大学に入ってから本格的に劇映画を撮るようになり、PFFにも応募するようになりました。
――ちなみに、『エミアビのはじまりとはじまり』で相方・海野役を演じた前野朋哉も自主映画を監督されていますが、彼との出会いはいつ頃?
最初に会ったのは、2010年に公開された『君と歩こう』という、石井裕也監督の作品ですね。前野くんは石井監督の大学の後輩で、彼自身も自主映画を撮っていたこともあり、なんとなく映画祭で顔を合わせることもあったりして、次第に意気投合していった感じですね。
――これまで石井克人監督や石井裕也監督作のほか、『グミ・チョコレート・パイン』や『色即ぜねれいしょん』など、さまざまな作品に出演されましたが、転機となった作品があれば教えてください。
一つに絞るのは難しいのですが、デビューのきっかけを与えてくれた石井克人監督はもちろん、斎藤久志監督、石井裕也監督、それから渡辺謙作監督との仕事は印象的でした。『グミ・チョコ』や『色即』といった作品は、俳優としての転機というよりも、映画について熱く語り合える柄本佑や、渡辺大知といった友人たちと出会うことができた、人生を豊かにしてくれた作品という感じがしますね。
2016.09.02(金)
文=くれい響
撮影=松本輝一