毎日食べても飽きないおいしさ!
ハード系のパンには、北海道産小麦100%のフランスパン生地で作るものも。
「粉と水、塩、モルトだけを使用します。国産小麦粉だけで満足できる生地にするのに2年かかりました。それでも、なかなか安定しなくて」と加古さん。
「バタール」は、パリッとした軽い歯触り。毎日食べても飽きない、さらっとした優しい味。
「ベーコン」や「シソベーコン」は、温めるとよりパリッとした食感に。たっぷりチーズが入った「モッツアレラチーズブレッド」も食べやすい。どれもパン生地の香ばしさがたまりません。
自慢のトマト生地のパンには、地元の農家が作ったトマトをたっぷりと使用。「トマトの水分だけで生地を作ります。水分が少なかったり、固かったり……。トマトの品質によって、パン生地をコントロールするのが難しい。日々改良を重ね、今では、どこに出しても恥ずかしくない、おいしいパンになりました」と加古さんはにっこり。
「トマト食パン」は、ふわっとソフトで、食べるとトマトのほのかな酸味と旨みが広がります。
「トマトクロワッサン」は、むっちりとした食感。オーブントースターで温めると、パリパリに。トマトの風味のさわやかなパンは、クセになるおいしさです。
菓子パン生地にも、兵庫県産の小麦粉を主体にした国産小麦を使用。
「クリームパン」は、とてもリッチな味わい。なめらかなクリームがパン生地と一緒にすうっと消えます。とろとろで甘さ控え目の自家製カスタードクリームを70gも包み、「2個食べてもらえるように」と工夫したクリームパンは、1日100個も出るのだとか。
「豆を使った菓子パンも人気です」と加古さん。
「塩豆パン」は、ほんのり塩味の豆の歯触り。日本茶にもよく合います。
ウグイス豆が入った「アリコベール」は、優しい甘さの食べやすいフランスパン生地。こちらは、紅茶やコーヒーに合わせたい。
他にも、カレーパンやイーストドーナッツなど、おやつにぴったりのパンも色々作り、工房に隣接する「きらめき神出」や、同じ西区の「六甲のめぐみ」「マルシェ六甲」「ピカリショップ」の他、長田区の「アグロガーデン」や東灘区の「六甲の架け橋」、北区の「cafe 風路楽」、伊丹市の「スマイル阪神」でも販売。神戸市の食のイベントにも出店して、じわじわ人気になっています。
加古さんは、麦の栽培について勉強しながら、新しいパン作りにも次々にトライしています。
「ライ麦も栽培しています。今年後半は、収穫したライ麦でのパン作りにトライします。そして、まだまだ収穫量は少ないのですが、いずれは自分で育てた麦、神戸市西区産100%でパンを作りたい。少しずつ経験を積み重ねて、育てた麦を見て、こんなパンができると想像できるようになりたい」
港町で、パンの歴史がある神戸市。その市内に小麦畑と製粉所があり、パンが手作りされ、誰もがそこで買って食べられる。そんな理想郷が実現できると楽しい。
「パン屋 小麦生活」
所在地 兵庫県神戸市西区神出町小束野30-17 兵庫楽農生活センター 加工施設棟
電話番号 090-5060-5840
URL http://www.kobe-busicolle.net/komugiseikatu/
※同センター内の農産物直売所「きらめき神出」や同じ西区の「六甲のめぐみ」「マルシェ六甲」「ピカリショップ」の他、長田区「アグロガーデン」、東灘区「六甲の架け橋」、北区「cafe 風路楽」、伊丹市「スマイル阪神」でも購入できます。
Column
そおだよおこの関西おいしい、おやつ紀行
生まれも育ちも神戸の生粋の神戸っ子で、長年の関西での取材経験からおいしいお店を知り尽くしている、ライターのそおだよおこさんが、関西の「今、食べてほしい!」というおやつを紹介します。
2016.07.24(日)
文=そおだよおこ
撮影=上田浩江