神戸・元町商店街から路地を南へ。「澳門(マカオ)街」と名付けられた細い通りに面した小さなベーカリー「La LOTTA BAKERY(ラ・ロッタ ベーカリー)」。さりげない木の看板が目印です。

ぬくもりを感じるシンプルな外観。

 店内は木のフロアに黒い壁。正面奥にはピカピカのオーブン。入って左手にある平台と小さな棚にパンが並んでいます。シンプルでシックな男っぽいお店を営むのは、若い女性でした。

 兵庫県生まれのこばやしのりこさんは、小さい頃から食べ物に関心があって、料理を手伝っていたといいます。「幼稚園の時から、将来はパン屋さんかケーキ屋さんになると決めていました」。趣味では飽き足らず、地元の個人店や大手ベーカリーで修業。27歳で上京し、フランスの人気店でも経験を積みました。

左手にパンが並び、右手にイートイン用のカウンターと椅子。正面奥にはオーブンを配置する。
パンは少量ずつさりげなく並べられています。

 「30歳までに神戸で自分の店を持つことを目標にしていたんです」。その目標と小さい頃からの夢を叶え、2016年3月18日に自店をオープン。今の場所を選んだのは、「神戸が好きで、石畳の路地が気に入って」だそう。

左: 左から、全粒粉の「ソーセージとチーズのイングリッシュマフィン」300円、ライ麦の「いちじくクルミ」250円。
右:左から、ライ麦の「ぶどうとクルミ」250円、ライ麦の「ショコラ」200円。

 「毎朝3時から、がむしゃらにパンを作っています」。厨房まで全て見える造りにしたのは、「パンを作っている様子を見てほしいから」。イートインコーナーを設けたのは、「食べた感想が聞きたいから」。パン作りにかけるこばやしさんの情熱は半端ではありません。

焼き立てのパンが大集合!

 「自分が食べたいと思うパンだけを作って並べています」とこばやしさん。よく見ると、平台の上は、形は様々ですが、色は地味な茶色一色。

2016.07.10(日)
文・撮影=そおだよおこ