小栗旬との出会い

――10年の小栗旬さんが初監督した『シュアリー・サムデイ』でも、鈴木亮平さんや綾野剛さんと一緒にメインキャストの一人に抜擢されるわけですが、小栗さんとの出会いは?

 『サマータイムマシン・ブルース』後、升さんから誘われたバーベキューに行ったら、小栗くんと同じ事務所の笠原秀幸くんがいて、その後に一緒に飲みに行ったら小栗くんがいたんです。ちょうど、彼が「救命病棟24時(第3シリーズ)」をやっていた時ですかね。それでその後、2、3回飲んだときに、「もし、映画を撮る夢が叶ったら出てほしい」と言われて。すごい男だと思います。5年後ぐらいにそれが実現してしまった。

――14年「新解釈・日本史」に続き、16年には「悪党たちは千里を走る」でドラマ主演を務めますが、それによって自身の意識は変わりましたか?

 「新解釈・日本史」の演出は福田さんだったこともあり、どこかファミリー感があり、背負うものというよりは、みんなで楽しいことをやるなか、「真ん中に立たせてもらって有難う」という感じでした。そう考えると、「悪党たちは千里を走る」は本当に責任がありましたし、生意気ですが、いろいろと意見させてもらって、僕の発言ひとつでここまで現場が動くこと、現場の雰囲気が変わることを知り、そして看板を背負うことの意味をしっかり考えさせてもらう、いい経験をさせてもらったと思っています。

2016.06.10(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘