今年シリーズ第3弾が放送される「勇者ヨシヒコ」シリーズやバラエティ「LIFE!~人生に捧げるコント~」で知られる怪優ムロツヨシの魅力に迫る第2回。新作映画『ヒメアノ~ル』のほか、今後の目標について語ってくれた。

福田雄一監督との意外な出会い

――ムロツヨシさんのキャリアでいうと、「勇者ヨシヒコ」シリーズの福田雄一監督との出会いも大きかったと思うのですが、その経緯も教えてください。

 福田さんが演出していたドラマ「33分探偵」のプロデューサーさんのおかげで、誘拐犯役で出してもらったのがきっかけです。そのときは福田さん演出回ではなかったんですが、僕が誘拐する子供を演じたのが福田さんの息子さんだったんです。現場にいらした福田さんの奥さんが、なぜか僕をいい雰囲気の役者だと思ってくださったらしく、僕を福田さんに推してくれたんです。それで焼肉を食べに行って、いろいろお話をしたら福田さんが初監督する『大洗にも星はふるなり』のメインキャストの一人に入れてくださって。プロデューサーは「誰それ?」だったみたいですが……(笑)。

――ちなみに、本広監督と福田監督、それぞれ演出に大きな違いはありますか?

 本広監督は僕がやったことに対して、「あり・なし」を判断して、もっと整理してくれる感じです。福田さんは台本という設計図を渡して、すべておまかせ、ほぼ放し飼いです(笑)。ただそれはいい意味で。2人の信頼関係を少しずつ築いてできたものの結果というか、福田監督の映像作品には『大洗にも星はふるなり』以降、たとえほぼ通行人に近い役でも、全部出ています。

2016.06.10(金)
文=くれい響
撮影=佐藤 亘