【次に流行るもう一曲】
大原櫻子「大好き」
「ギタ女」ブームのまさに中心的存在
伊藤 2曲目は大原櫻子『大好き』、20歳を迎えて初のシングル。前作「キミを忘れないよ」でちょっと大人っぽい方向へシフトしていくのかなって思ったけど、今作は大原櫻子らしい曲になっている。だけど曲の恋愛度は増していっていますね。
山口 フジテレビ製作の映画オーディションがキャリアのスタートでしたが、本格的なシンガーソングライターになってきましたね。「ギタ女」ブームの中心にいるなという印象です。
伊藤 今までは作詞作曲が亀田誠治というパターンが多かったのですが、最近の詞は共作ということになっていて、アーティストとして表現に対する貪欲さを感じます。
山口 同世代の女性から支持されるメッセージを打ち出そうとしているようですね。最近10代から人気の音楽コミュニティアプリnana〈外部サイト〉でも大原櫻子の楽曲は人気のようです。若い層からの楽曲支持は、nanaをチェックすると見えてきますよ。
伊藤 そうですね。普通に大人にnanaの話をしても誰も知らないし、音楽業界でディレクターに話しても知らなかったりする。だけど中高生のなかでは当たり前に知られていて、使っている子も多い。スマホだけで音楽を配信できて、参加できる手軽さがポイントですよね。
山口 ニコニコ動画で「歌ってみた」というユーザーによるムーブメントがありましたが、今の10代の「歌い手」は、nanaにいるんですよ。スマホで簡単にコラボできるのが支持されています。ユーザーの約7割は18歳以下の女の子。月間ユニークユーザーが110万人でアプリの月間平均滞在時間5時間というのも立派な数字ですが、それ以上に数字に表せない、ユーザーの熱量の高さ、nanaに対する愛情が素晴らしいです。僕は3年以上前からアドバイザー的に関わっているのですが、今、日本で一番熱い音楽サービスだと思います。
伊藤 ヤングに熱い、ですよね。どんな曲が歌われているのですか?
山口 西野カナや大原櫻子など若年層ファンのいるアーティストの曲やボカロ曲、アニソン曲が多いのですが、面白い現象が起きました。
大原櫻子「大好き」
ビクターエンタテインメント 2016年6月1日発売
初回限定盤A[CD+DVD]1,500円、初回限定盤B[CD+DVD]1,500円、通常盤[CD]1,200円(税抜)
■20歳を迎えて初となるシングルの表題曲は、コロプラ「白猫プロジェクト」CMソング。大原櫻子は、「ラヴソング」の後番組として7月から始まるフジテレビ系ドラマ「好きな人がいること」へのレギュラー出演が決定している。また、2016年8月5日(金)からは、16カ所をめぐる全国ツアーがスタートする。
■「大好き」作詞/大原櫻子、亀田誠治 作曲/亀田誠治
■オフィシャルサイトURL http://sakurako-web.com/
【動画サイト】
「大好き」
URL https://www.youtube.com/watch?v=41-CQgHxe80
2016.05.30(月)
文=山口哲一、伊藤涼