音楽ビジネスとITに精通したプロデューサー・山口哲一。作詞アナリストとしても活躍する切れ者ソングライター・伊藤涼。ますます混迷深まるJポップの世界において、この2人の賢人が、デジタル技術と職人的な勘を組み合わせて近未来のヒット曲をずばり予見する!

 さて、近々リリースされるラインナップから、彼らが太鼓判を押す楽曲は?

【次に流行る曲】
MAX「#SELFIE ~ONNA Now~」

世界的にヒットしたダンスチューンをカバー

伊藤 今回はMAXの「#SELFIE ~ONNA Now~」なんですが、YouTubeで再生回数3億回を超えたダンスチューン「#セルフィー」のカバーです。

山口  MAX、活動再開してから、元気ですね。今の若い子は、昔は4人で活動していたことも知らないのでしょうね。

伊藤 4人でしたね! 最近はバラエティーなんかでチラホラ目にすることはありましたが、もはや3人でいることに全く違和感ありません。なお、REINAは長期の育児休暇中ですが現在も在籍しているとのこと。MAXと言えば、このコラムを始める前にサンプルとして書いたのを思い出します。そのときの曲も、今回と同じように世界でヒットしているダンスチューンのカバー「Tacata'」だったんだけど、その選曲とコラムがなかなかの出来だったので、このコラムが始まったと言っても過言ではないですね。

山口 「Tacata'」はもう2年前になりますね。洋楽カバーでした。体感的な歌詞に伊藤さんは興味を持っていましたね。

伊藤 そうでしたっけ? たしかに……嫌いではないです(笑)。オリジナルの「#セルフィー」は発売5週で全米ダンスチャート1位、43カ国以上でiTunesのトップ5、YouTubeの2014年トップ・ミュージック・ビデオのトップ10に選ばれました。このダンスチューンにヒャダインこと前山田健一がメロディと日本語詞をのせたのがMAXバージョンです。

山口 はい。「#セルフィー」はザ・チェインスモーカーズという2人組のDJユニットの楽曲ですよね。突然ブレイクしましたが、YouTube発のヒットでしたね。この曲をカバーして、歌メロつけちゃうっていうのは、よい意味で乱暴で、Jポップらしいアイデアですね。

伊藤 ですね。

2015.07.17(金)
文=山口哲一、伊藤涼