大切なのは、親がリラックスして好きなことをしているということ
子育てを始めてから、子ども用品をほとんど買ったことがないというハーモニーさん。その幅広い人脈でほとんどのものはお下がり。日々活躍しているダブルベビーカーは、近くの児童館で知り合ったママから譲り受けた。打ち合わせなどのときには、上の子ども2人を実母にあずけて末っ子を連れて行くが、お出かけでは、ダブルベビーカーが活躍する。
もともとハーモニーさんはせっかちで、「5のことしかできないのに、ギューギューと10のことを詰め込んでしまう性格」だった。しかし、「ゆったりと3のことをしても、結果は同じじゃない?」と、フィンランド人の夫に教えられたという。
「『いつか』のために懸命に無駄なくがんばる! という性格で。いま節約して安いパンを買って、将来のために貯金! みたいな。でも夫に『今、幸せなんですか?』といわれて、考えてしまいました」。
それから、「たまには高くておいしいパンを買ってもいいじゃない。その時が幸せならば」と考えるようになり、肩の力が抜けていったという。
だから、ハーモニーさん一家が大切にしていることは「親がリラックスしていること」「親が好きなことをしていること」だそう。軸は「子」ではなく「親」にある。
ハーモニーさんが好きなのは、もちろん絵を描くこと。昼間は、子どもといっしょに楽しみながら描く。仕事で集中したいときには子どもが寝てから夜中に描く。
人との出会いも好きだから、NPOで出会いのきっかけを作る。
フィンランドやブラジルといった外国に行ってみて、つくづく「いろいろな国の人と知り合うのは、とてもいいこと」と感じた。とはいえ、誰でも外国にホイホイと行けるわけではない。そこで「ザ・グローバル・ファミリーズ」では、さまざまな国の人と触れ合う機会を設けている。
日本在住のさまざまな国の人を呼んで、その国のことを話してもらったり、イベントを開催したりして、親子でともに楽しむ。それがきっかけとなって海外の国に興味をもつようになり、さまざまな価値観を知ることができる。今年もオランダ人、シリア人などを呼んでイベントを行った。さまざまな国の人々と触れ合った参加者は、国際ニュースもそれまでとは違った捉え方ができるようになるだろう。
子どもには「考えることを大切にして欲しい」と思っている。だから家にはテレビはないけれど、地球儀はちょっといいものを選んだ。勉強を好きになって欲しいけれど、受験は考えていない。貯金はないけれど、今日はちょっと高くておいしいパンを食べることができた。
そんな日々を、ハーモニーさんはかけがえのないものだと感じている。
「10年後は、アーティストとして実績を積んでいたい」と語るハーモニーさん。人と出会い、人と人をつなぎ、絆をたいせつに育んできたハーモニーさんの絵は、限りなく明るく、あたたかい。きっと多くの人の心に届く絵を、これからも描き続けてくれるだろう。
Column
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2016.04.21(木)
文・撮影=HITOMINA