ルミコ・ハーモニー(るみこ はーもにー)さん
家族:夫、長女3歳、次女2歳、長男5カ月、実母
仕事:アーティスト/NPO法人ザ・グローバル・ファミリーズ副理事長
勤務体制:フリーランス
ルミコ・ハーモニーさんの印象を一言で言うならば「フラット」。誰に対しても、何に対しても心に垣根を作らない人。ところが子どもの頃は人見知りが激しく、高校生までは地域社会の中でも「なんとなく周りとの間に違和感を覚えつつ」過ごしていたそうだ。
大学卒業後、東京に出てきてアーティストを目指しながらもなかなか仕事としての目処がつかず、会社員になって働きながら絵を描き続けていた。ひょんなことから出会ったフィンランド人の男性と結婚。そして妊娠、出産。
年子で2人目が生まれてすぐ、夫がブラジルへ転勤となる。ハーモニーさんが、1歳8カ月と生後3カ月の子どもを連れてブラジルへ行くことは、知人の誰もが反対したという。ところがいざブラジルに行ってみると、子連れに対して誰もが優しい。道を譲り席を空け、歓迎してくれた。「まるでVIP扱い。子連れにとっては天国でした」。
「外国での子育ては大変そうだから、夫が単身赴任をする」といった考えが、実は非常に日本的であることを初めて知ったというハーモニーさんは、ブラジルで「日本的な何か」をデトックスできたと感じた。
「子どもがいるから~するべき」「妻だから~すべき」「女性は~すべき」。自分でも知らず知らずのうちに染み込んでいた日本的な「べき」を、ブラジルという国がメリメリとはがしてくれた。
帰国後、「日本がちょっぴり子連れに厳しいのは、みんな小さな子どもに慣れていないからじゃないかな?」「外国の人ともっと知り合って、いろいろな文化を知り、価値観の違いを認め合うことが必要では?」と感じ、友人とともにNPOを立ち上げる。それが「親子で国際交流 ザ・グローバル・ファミリーズ」だ。
現在、アーティストとしての活動と同時にNPOでも活動。二足のわらじを履きながらの、3歳を頭に3児の子育てに奮闘中。第1子の妊娠から第3子を産むまでの4~5年間、半分はつわりで体調が悪く、残りの半分は授乳中。残念ながら絵を思う存分描ける状態にはなかったが、第3子が生後半年となる今、仕事が続々と舞い込んできているという。なぜだろうか。
それは、子育てをしながらも仕事の種を蒔き続けていたからだ。
制作活動ができないときでも「やりたいこと、興味のあることにはアンテナを張り、情報を発信し、種を蒔き続けました」。
国際結婚や北欧流子育て、アート、オーガニックについての情報発信を続けるのは、授乳しながらでもできること。そして、外に出て人に会う。これぞと思うイベントにはマメに顔を出す。関係者に挨拶をする。名刺を配る。子連れでも、できることはずいぶんとあるのだ。「人との出会いは、たいせつにしています。すべては仕事につながると考えているから」。
そんなハーモニーさんの子育ての極意を伺った。
2016.04.21(木)
文・撮影=HITOMINA