おかしら付きの魚料理でゆとりのある一年を願う【龍鳳酒家】
春節のメインのご馳走は、おかしら付きの一尾魚を食べるのが鉄板です。中国語に「年年有余」という言葉があり、その年にお金が余る(残る)、いつもお金に余裕があるということを意味します。この「余」と「魚」の発音が同じなことから、ゆとりのある生活ができるようにと願いを込めて春節に魚料理を食べる風習ができたそう。
毎朝、横浜の中央卸売市場で魚を仕入れている「龍鳳酒家」は、魚料理に定評がある広東家庭料理店。家族経営のアットホームな雰囲気ながら、豊洲や築地の水産関係者の常連客も多いというガチな海鮮好きにも人気のお店です。
「広東式の蒸し魚」は今朝に仕入れた一尾魚をシンプルに蒸して特製醬油ダレをかけ、しょうがと白髪ねぎをどっさりのせたもの。仕上げにアツアツの油をジャッとかけるから、香りも抜群! 香味野菜と醤油ダレの塩梅も絶妙で、蒸した魚の身は肉厚でいてしっとり、魚の滋味が逃げずにぎゅっと詰まっています。
金目鯛やキジハタ、オニカサゴなどの高級魚が登場するので、とても贅沢。価格は魚の種類や大きさで異なり、3,000前後から5,000円が目安です。この料理、海がシケのときはお休みになりますが、朝獲れの魚を使うことも多いので鮮度の良さはひとしお。
「春巻き」も春節の伝統的な料理で、その名の通り、中国では春の訪れを感じる食べものです。
タケノコ入りの餡を包んだ春巻きが定番ですが、「龍鳳酒家」の人気裏メニューは“牡蠣入り”。店主が「広東料理に一番合う」という三陸の赤崎産や松島産の牡蠣を使っているので、粒が大きく、火を入れても縮みません。サクサクの黄金の皮の中から、牡蠣のジュースがじゅわっとほとばしる感動体験をぜひ。提供は薄手のコートの季節まで、暖かくなったら終了です。

