お土産はやっぱりビールとチョコ!

外観は普通の土産物店といった趣の「ヘット・ビアパレス」。間口は小さいけれど、奥行きがある。

 ベルギーには、先祖代々ビールに情熱を注ぐビール醸造家が数多くいる。そのいっぽうで、醸造家たちが丹精込めて造ったビールを販売することに情熱を注ぐ人がいる。ブルージュのデ・ハルヴェマーン醸造所から歩いて5分ほどの場所にある「ヘット・ビアパレス」のオーナー、ダニエルさんもそんなひとりだ。

床から天井まで、ずらりとビールが並ぶ。この中から選ぶのもたいへん!
さらに奥には、まるでビールオタクのコレクション部屋のような、お宝アイテムが並ぶ小部屋がある。

 お店の外観は普通の土産物店のようだが、中に入ってびっくり。奥行きがあり、床から天井まである棚には無数のベルギービールがずらりと並べられているのだ。しかも、ビールを飲むことができる小さなビアカフェスペースもある。その更に奥にはビールグラスや、レアもののビール小物が所狭しと並ぶ。ビール好きコレクターの秘密の小部屋といった印象だ。

 鶏肉店を営んでいたダニエルさんは経営不振に悩んでいた。1980年代後半からブルージュには観光客が増えたため、代々受け継いだ商売を閉じ、観光客相手の土産物店に変えたのだ。

 そこで、以前から好きだったビールも売ることにした。店の奥にあるビール関連小物は、醸造所を巡ったり、蚤の市などで見つけて買ったり交換したりして、長年コレクションしてきたお宝。それらがビールマニアの間でも話題となっているのだ。

「日本人だね」と、出してきてくれた「欧和」。ベルギー在住の日本人醸造家、今井礼欧さんが造ったしっかりとした味のビールだ。

 ダニエルさんに好みのタイプを伝えると、数え切れない種類の中からぴったりのビールを選んでくれる。私が日本人と知ると、彼が勧めてくれたのが「欧和」という、ヨーロッパと日本を意味する2文字の漢字名をもつビール。

 なんと、日本人醸造家の今井礼欧さんが造っているベルギービールだった! 今井さんは、柚子や桜を使った日本人ならではのビールを造っているのだ。ベルギービールの裾野は広い!

 ここで、どれを買おうかという悩みに加えて、もうひとつの悩みが。ベルギーでは容器をリサイクルではなくリユース(再利用)するので、缶ビールがない。日本に持ち帰るにはかなりの重量になってしまうということ。あー、悩ましい~!

Het Bierpaleis(ヘット・ビアパレス)
所在地 Katelijnestraat 25, Brugge, 8000, Belgium
電話番号 050-34-31-61
URL https://www.facebook.com/bierpaleis

OWA(欧和醸造所)
URL http://www.owabeer.com/

マルクト広場に面したベルギーチョコレートの名店、「ゴディバ」と「ピエール マルコリーニ」。

 ひとまずビールを諦めてブルージュの街を散策していたら、マルクト広場の一画に、ベルギーチョコレートの名店2店を見つけた。しかも、お隣同士! 黒い外観の「ゴディバ」と、白い外観の「ピエール マルコリーニ」だ。「ゴディバ」の経営はベルギーではなくなったものの、どちらもベルギーのブリュッセルで生まれ、世界各地に店舗をもつ名店だ。

ボウルの中に、ゴディバのトリュフチョコレートがゴロゴロと無造作に積まれている。
ゴディバの店舗奥にあるギフトボックスコーナー。この店舗も、入り口は小さいけれど、奥にもう一部屋あるという造り。古い建物ならではだ。

 ここ、ブルージュの店舗は小さいけれど、本店ほど人が多くないので、落ち着いて好みのチョコレートを選ぶことができるのがいい。トリュフのバラ売りから、ギフト用のボックス入りセットまで様々なチョコレートがある。しかも、ビールよりもずっと軽い! ビールは胃袋に入れてしまって、お土産はチョコレートというのが正解かも?

GODIVA(ゴディバ)
所在地 Markt 10, 8000 Brugge, Belgium
電話場号 050-34-47-70
URL http://www.godiva.co.jp/

Pierre Marcolini(ピエール マルコリーニ)
所在地 Markt 11, 8000 Brugge, Belgium
電話場号 050-34-98-10
URL http://www.pierremarcolini.jp/

2016.03.20(日)
文・撮影=たかせ藍沙