旅館道 その2
「日本庭園と純和風の客室で和心地に浸る」

広々とした日本庭園。季節の花が開くこの庭を歩くのも気持ちがよい。

 日本庭園には、木々が緑なす築山に椿、早咲きのあたみ梅、河津桜にソメイヨシノ、枝垂れ桜にツツジと、春に向けて次々と花が咲く。悠々と鯉が泳ぐ池もあって、これぞ純和風の趣だ。

野点ピクニックでは、スタッフがお茶を出してくれる。

 この庭園で、2016年3月1日から5月末までの期間限定の「野点ピクニック」が行われる。16時から17時には、スタッフが伊東ならではの季節のお茶を入れてくれるので、お庭で和心地に浸りながらお茶を楽しむことができる。

風鈴の音を聞きながら時間を忘れるひと時。

 また、大浴場に向かう回廊の軒先に「春風鈴」が吊るされ、桜の花びらの舞い落ちるなか、涼やかな音を立てる。

温泉では浴衣姿で卓球がお約束。久しぶりにラケットを握ってみる。
静かに時間を過ごしたいならロビー(左)でもトラベルライブラリー(右)でも。共に無料でお茶やコーヒーも。

 寛ぎの場と言えば、湯上がりの “浴衣姿で卓球”というお約束の発散ができる卓球室もある。ゆっくりしたい人は、日本庭園を眺められるロビーや、本が置かれたトラベルライブラリーで、コーヒーや紅茶を一服して寛げる。

畳敷きの部屋は定員7名でゆっくりできる広さ。こちらは、床の間につるし飾りがかわいい特別室の「ご当地部屋」。

 客室は、人数や家族構成に合わせて全6種類。畳敷きの和室は、ほとんどの部屋に次の間もついていて、とても広々としている。襖を開けると伸びやかに楽しめる純和風の部屋のよさを味わえる。それぞれに設えは異なり、季節の花が生けられた部屋で落ち着いた時間が過ごせる。

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2016.02.27(土)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵