山口規子さんは、世界中を旅しながら、ジャンルを横断した素敵な写真を撮り続けるフォトグラファー。風景、人物、料理……、地球上のさまざまな場所でこれまで撮影してきた作品をサンプルとして使いながら、CREA WEB読者に旅写真のノウハウを分かりやすくお伝えします!

vol.10 ソウル(韓国)

王や王妃の暮らしを想像しながら撮影すると楽しい

慶熙宮のひさしの模様に感動し、広角レンズで2棟を一緒に写した写真。

 2016年がスタート! 皆さんはどんなお正月を過ごされたでしょうか?

 初詣に行かれた方も多いと思います。日本の古都である京都や奈良に住んでいない限り、普段は神社仏閣なんて気にもせず通り過ぎてしまうせわしない生活を送っていても、お正月となるとせっせと祈願に参り、神社を背景にパシャ! 絵馬と一緒にカシャ! とシャッター初押しの方も多いはず。

宗廟の正殿。19人の王と30人の王妃が祀られている。低めのアングルで石畳を強調する。

 そこで今回は韓国のソウル。

 なぜソウルかというとソウルには朝鮮王朝時代に建てられた王宮が沢山あり、日本の神社仏閣を撮る時と同様、建築写真の勉強にもってこいの場所だからである。そして朝鮮王朝の歴史を勉強しながら王宮を撮影すると、王や王妃の生活が想像できて楽しさ倍増! 焼肉だけがソウルじゃないよ。

左:宗廟の正殿を真横から撮影。全長101メートルあり、単一の木造建築物としては世界最長級とされている。
右:瓦の上にいるのは魔除けの三蔵法師と弟子の妖怪たち。

2016.01.24(日)
文・撮影=山口規子