歴史薫る建築物を撮影するコツ その1
「朝一番の開門と同時に入場し、線対称を先撮り!」

景福宮の広場では1日に2回、朝鮮王朝時代の守門将の交代儀式を見ることができる。交代儀式の時間を事前に調べて早めに行き、真ん中を陣取るべし!

 綺麗な王宮を撮りたいなら開門時間の朝一番に入ること。観光客も少なく、その場を独り占めしながら荘厳な王宮を撮ることができる。

 王宮はきちんと線対称に建てられているので、人が来ないうちに線対称の写真を先に撮ろう。線対称と簡単に言うけれど、実はかなり神経を使う撮影。どこが真ん中なのか自分の目で確かめなくてはならない。

慶熙宮。朝鮮王朝を創設した李成桂の私邸があった場所。背景に山を入れて撮るとソウルの中心地と思えないくらいのどかな雰囲気。

 アドバイスとしては、石畳の線や数、また王宮の名前が書かれている扁額の位置などを参考にしてみるとよい。また、ファインダーの隅々までチェックして水平をきちんと合わせること。自分の背から撮影した後はカメラアングルを低くして石畳を強調したり、守門将交代などの儀式があるところは守門将も一緒に入れて撮ると建物の大きさがよくわかる写真になる。

左:景福宮の光化門をくぐる瞬間、天井画に気付いて広角レンズで撮影したもの。
右:昌慶宮は王族の生活の場として作られた。遠くに南山に立つNソウルタワーが見える。

 晴天時のカメラ設定の推奨モードは絞り優先オート(Aモード)、絞り値(F値)はF11~16、WB(ホワイトバランス)は晴天モード、ピクチャーコントロール(カメラメーカーによって呼び名はそれぞれ違う)はスタンダードもしくはビビッド。

2016.01.24(日)
文・撮影=山口規子