グラン・パレにも近代絵画の見逃せない展示が

 印象派を含んだフランス近代絵画の展覧会といえば、グラン・パレのナショナル・ギャ ラリーで開催中の「マティス、セザンヌ、ピカソ…スタイン家の冒険」も見逃せない。

オーギュスト・ルノワール「ムーラン・ド ・ラ・ギャレット」

 これは20世紀初頭のパリに住んだアメリカ人の一家、スタイン家の兄妹が収集した作品を世界各地から集めたものだ。

 作家としても有名な ガートルード・スタイン、彼女の兄であるレオとマイケル、そしてマイケルの妻のサラ。

 この4人は優れた審美眼の持ち主で、当時はまだ評価の定まっていなかったアンリ・マティスやパブロ・ピカソなどの作品を次々と手に入れた。展示会場では作品ごとにスタイン一族が購入した年代が明記されていて、彼らの非凡なコレクションがどのようにして形作られていったかを見て取ることができる。

 そのほかにもパリには、クロード・モネの「睡蓮」の連作で有名なオランジュリー美術館がある。印象派やその周辺にテーマを絞った美術館、展覧会めぐりをしてみるのも楽しいだろう。

オルセー美術館
URL www.musee-orsay.fr/en/home.html

「マティス、セザンヌ、ピカソ……スタイン家の冒険」展
Matisse, Cézanne, Picasso...L'aventure des Stein
2011年10月5日~2012年1月16日  グラン・パレ ナショナル・ギャラリー
URL www.rmn.fr/

Column

世界を旅するアート・インフォメーション

世界各地で開かれている美術展から、これぞ!というものを、ジャーナリストの鈴木布美子さんがチョイスして、毎回お届けします。
あなたはどれを観に行きますか?

2011.11.30(水)
text:Fumiko Suzuki