ジュエリーのような立体作品で人気のオトニエルの個展が開催

 ジャン=ミシェル・オトニエルはガラスを使った立体作品で人気の高いフランスの現代作家だ。2011年にパリのポンピドゥー・センターで開催された回顧展では3カ月の会期で20万人の観客動員を記録した。

 このオトニエルの個展「マイ ウェイ」が東京・品川の原美術館で1月7日から開催される。

 今回の展覧会には80年代の初期作品から、ヴェネ チアのムラーノガラスを素材にした最近の作品まで、約60点が展示される予定だ。  

 オトニエルは64年にフランスのサン=エティエンヌで生まれた。80年代から硫黄や蜜蝋、鉛などの可変性の高い素材で立体作品を手掛け、93年からはガラスを用い始めた。ジュエリーを思わせる華やかな装飾性と柔らかなフォルムが生み出す官能性が彼の作品の大きな特色になっている。

 オトニエルの代表作として有名なのがパリの地下鉄、パレ・ロワイヤル・ミュゼ・ド・ ルーヴル駅にある「夢遊病者のキオスク」という作品。

 普通のエントランスに替わって、色鮮やかなガラスのボールをネックレスのように数珠状に繋いで作られたカラフルなドーム状の構造物が設置されている。ファンタジーの世界への入り口を思わせる、不可思議な魅力を持った作品だ。

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2011.12.30(金)
text:Fumiko Suzuki