現代アートの中心地ロンドン
秋の到来とともに本格的なアート・シーズンを迎えるヨーロッパ。この時期には大規模なアートフェアが開催され、多くの現代アート・ファンが世界中から集まる。そのひとつがロンドンの「フリーズ ・アートフェア」だ。
毎年10月にリージェントパークの仮設会場で開かれるこのフェアは今年で9回目。10月12日から16日までの会期で、世界各国から170以上の現代アートギャラリーが集結する。今やニューヨークと並ぶ現代アートの中心地となった観のあるロンドンだけに、出品される作品の質はとても高い。
なかでもダミアン・ハーストらの人気作家を抱えるホワイトキューブやアニッシュ・カプーアなどで知られるリッソンといったロンドンの一流ギャラリーは、特に力の入った展示を見せてくれる。美術館にあるようなクオリティの作品が並び、それらがすべて売り物というのは、日本ではまず目にすることがない光景だ。
ちなみに初日はVIP招待客のみが入場できるスペシャルデーで、顧客の有力コレクターや美術関係者が集まる。会場にはアート好きのセレブたちも顔を見せ、華やかな雰囲気に包まれる。これまでケイト・モス、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウ、マドンナといったスターたちが来場している。
いっぽうパリでは今年で38回目となる「FIAC」が10月19日から23日の日程で開催される。会場はメインのグランパレにチュイルリー公園と5区の植物園を加えた3カ所。出展ギャラリー数は168で、こちらもかなりの大規模だ。老舗のイヴォン・ランベール、村上隆を扱うギャルリー・ペロタンといったパリの一流ギャラリーはもちろん、ニューヨークのチェルシーやロンドンの有名画廊も多数参加する。
2011.09.30(金)
text:Fumiko Suzuki