あっさり汁麺は辛味ダレがアクセント。「パンミー・スープ」

「パンミー」のスープは、煮干しのうま味たっぷりで、胃にじわ~っと沁み渡る。左奥に見えるのが辛いタレ。店によって種類が異なり、このパンミーには、輪切りの青唐辛子をつけこんだしょう油と、ペーストした赤唐辛子にライム汁を加えたサンバルソースがついていた。

 パンミーのスープは、煮干しのダシをベースにしています。雑味がなく、ごくごくと飲み干せるやさしい味。ここに、小皿で一緒に提供される特製の辛いタレをすこしずつ足しながら食べます。タレを加えることで、スープの奥深さがぐーんとアップし、味の変化も楽しめるのです。

幅広の麺を使ったパンミーに豚肉入りのすり身(ポークボール)をトッピング。卵を追加するのもおすすめ。

 パンミーの具は、豚肉・椎茸・揚げ玉ねぎ・煮干し。お店によっては、すり身や卵がトッピングできることもあります。いたってシンプルな具なのですが、食べてみてビックリ! これがうまいんです! その立役者はずばり、カリカリに揚げた煮干し(現地語でイカンビリス)。香ばしい食感と魚のうま味がダイレクトに口の中に広がって、あぁ、たまらない。私、パンミーに出会ってから、煮干しを立派な魚として認識した次第です。

左:煮干しはダシでも具でも大活躍。煮干しがないことには、パンミーは始まらないのだ。
右:スープ麺でおすすめなのは、ちぎり麺。スープと麺の一体感が味わえる。見た目も味も、すいとんによく似ている。

 さて、次はドライとよばれる、汁無しのパンミーに注目!

2015.09.18(金)
文・撮影=古川 音