こだわりが詰まったアフタヌーンティー!
アフタヌーンティーを楽しむことができるのは、1階のメインロビーにあるダイニング。その名も「ザ・ロビー」だ。白を基調にして2階まで吹き抜けになっているロビーは、大きなアーチ型の窓が特徴。2階からは、生演奏のBGMが流れてくる。
14~18時がティータイムで、予約をできるのは滞在ゲストのみ。ビジターの場合は、早く行くか、席が空くのを待つしかない。いつも行列が絶えず、18時より前でも品切れになってしまうこともある。それほど人気が高いのだ。イギリスの旅行雑誌で「死ぬまでにしたい100のこと」に選ばれたという。
まず、アフタヌーンティーをオーダーするときには、お茶の種類を選ぶ。メニューには約25種類の紅茶、ハーブティー、コーヒーが用意されているので、種類が多すぎて選ぶのに迷うこともあるかもしれない。そんな時には、ティーマスターに相談することができる。ワインでいえばソムリエ。好みを伝えれば、ぴったりのお茶を選んでくれるはず。
キッチンでは、オーダーが入るとスコーンをオーブンに入れる。スコーンは2回に分けて焼かれる。2回目はオーダーが入ってから。つまり、もっともおいしい焼きたての状態でトレーに載せられる。通常、アフタヌーンティーでは、3段あるトレーの中段にスコーンが載せられるが、こちらではその上のスイーツが熱で溶けてしまわないよう、下段に載せているという。ココでは、まずは温かいうちにスコーンから食べるというのがおいしくいただくコツだ。
中段のフィンガーサンドイッチも只者ではない。こだわりはキュウリのサンドイッチ。長年変わらないレシピで作られている。スライスしたキュウリは、塩とハーブでマリネして一晩置く。それから翌日にハーブ入りマヨネーズを使ってサンドイッチに。なんと、2日がかりなのだ。そうすることにより、キュウリ特有の青臭さが抑えられ、ほどよい食感になるという。
最後にいただきたいのが、上段のスイーツ。季節によって内容は変わるが、チョコレート菓子はキッチン内の、チョコレートルームと呼ばれる、温度管理された部屋で作られる。そこで腕をふるうのは、ベルギー人ショコラティエのマライン・コートジェンスさん。ベルギーのコンテストで優勝した経験をもつ。
そして、10月の1カ月間、「ザ・ペニンシュラ・イン・ピンク クラシック アフタヌーンティー」が用意され、オーダー1人分につき40香港ドルが乳がん患者支援団体に寄付される。フィリピンの台風被害や、東日本大震災の際にも寄付をしたのだとか。これだけのストーリーを伺って、次に香港に訪れる機会があったら、またここに来ようと決めたのだった。
2015.09.11(金)
文・撮影=たかせ藍沙