Woman,I
1950-52
Oil on canvas 6' 3 7/8" x 58" (192.7 x 147.3 cm)
The Museum of Modern Art, New York. Purchase

 デ・クーニングの名前を一躍有名にしたのは、50年代前半に発表された「女」の連作だ。 女性への愛情や憎悪といった生の感情をダイレクトにキャンバスに叩きつける。そこでは「美しく描く」とか「画面を知的に構成する」といった判断は行われない。その結果生まれるのは、具象とも抽象ともつかない、激しい感情のほとばしりに見える「アクション・ペインティング」だ。実はデ・クーニングは40年代初頭から女性をテーマにした作品を手掛けている。今回の展覧会ではその多くが展示されていて、表現手法の変遷をたどることができる。

 激しさや荒々しさが大きな特色だったデ・クーニングのスタイルも、晩年になるとより穏やかなものに変化していく。透明な色彩感と伸びやかなストロークが強調された80年代の作品は、この画家が最後に辿りついた境地ともいえる。ひたすら「描く」という行為にこだわり続けた画家の生涯を振り返るこの展覧会は、絵を見る楽しみの奥深さを改めて感じさせるものだ。

MoMA(ニューヨーク近代美術館)
デ・クーニング展(de Kooning: A Retrospective)
2011年9月18日~2012年1月9日
moma.org/

Column

世界を旅するアート・インフォメーション

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2011.10.31(月)
text:Fumiko Suzuki