今月のテーマ「ニコイチ」
【MAN】
アップルコンピュータ創始者、ふたりのスティーブ
MacやiPhoneを生み出したアップルコンピュータの創始者は、ふたりのスティーブだ。死してなおカリスマの地位を誇るスティーブ・ジョブズと、天才エンジニアのスティーブ・ウォズニアック。ウォズが創造し、ジョブズが弁舌を駆使して広める。40年前にふたりが“ニコイチ”の関係性を築いたからこそ、今の世界がある。『スティーブズ』は伝記的事実を元に、想像力を自由に羽ばたかせる。
ウォズは言う。世界を変えるには、2つのことが必要だ。「正しいことをする」。つまり、誰もがいいと思ってくれるものを作る。これは自分がやれる。もうひとつは、「ものごとを……世界を正しくする」。それができる人間は? 相棒だ。ふたりのスティーブが共に持っていたのは、パートナーを信じる強い気持ちだ。
だが、歴史的事実として知られるように、後にふたりは別れる。その瞬間を、伝記よりドラマチックなこのマンガで追体験したい。
『スティーブズ』(既刊1巻) うめ、松永肇一
アップルコンピュータ黎明期、ふたりのスティーブはどんな関係を結んでいたのか? ジョブズの特殊能力として伝記にも記されている「現実歪曲フィールド」を超能力バトル風のエフェクトで処理するなど、マンガ的なハッタリ感も魅力的。作中コラムにも情熱を搔き立てられる。
小学館 659円
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2015.03.04(水)
文=吉田大助