トルコでは新郎新婦の車とカーチェイス?

スチールカメラ、ビデオカメラが構えられた教会の前にリボンで飾った車が停まった。白いベールの隙間から新婦の美しい横顔がちらりと見えた。

 地中海の小国、マルタに行ったときには、声をかけられる距離ではなかったものの、教会に入っていく新婦を見かけた。急いで望遠レンズに替えて、遠くから姿を追った。その後ろ姿はとても幸せそうで、長いドレスの裾とベールが美しかった。

左:出てきたのは新婦とその家族。寄り添って教会へと入っていく。
右:カメラに気がついた傍らの女性が笑顔を投げてくれた。きらきらの幸せオーラが飛んできた!

 新婦が教会に入る直前、私が写真を撮っていることに気がついた傍らの赤いドレスの女性(妹さんだろうか)が笑顔を向けてくれた。そして、新婦はそこにいたすべての人々を巻き込んで、ハッピーオーラをきらきらと振りまきながら教会の中へと消えていった。

古い教会の前に停まるクラシックカーに、白いリボンがよく似合っていた。

 トルコのウエディングはちょっと変わった出会いだった。地中海有数のリゾート地アンタルヤを取材していたときのこと。海辺の道を車で走っていたら、リボンで飾った車を見かけた。「あの車、ウエディングカップルね」と運転していたコーディネーター氏に話しかけると、「写真を撮りたい?」と。「撮りたい!」と即答すると、彼は車のスピードを上げた。前を走っていた赤いリボンの車に追いつこうというわけだ。

海岸通りで見つけた赤いリボンで飾られた車。急いで追いかけていたら、急に停まった。なんてラッキー!
ステキな笑顔のトルコ人カップル。どうぞ末永くお幸せに!

 これ、パパラッチ!? 「いやいや、そんなに無理をする事はないよ~」と私が慌てた瞬間、前の車が停まった! 中からは、新郎新婦と家族らしき数人が降りてきた。どうやら海岸沿いの遊歩道で記念撮影をするらしい。こちらも車を停めて、車を降りたコーディネーター氏がすかさず交渉に向かった。ここでも撮影をご快諾くださり、またまたハッピーをいただいた!

2015.01.13(火)
文・撮影=たかせ藍沙