世界を旅する女性トラベルライターが、これまでデジカメのメモリーの奥に眠らせたままだった小ネタをお蔵出しするのがこのコラム。敏腕の4人が、週替わりで登板します。
第68回は、たかせ藍沙さんが世界の津々浦々で偶然出くわしたハッピーな華燭の典の数々をご紹介します!
成人式かと思ったら結婚式だった!
アメリカのシカゴ市内中心地にあるミレニアムパークで、ドレスアップした女性たちを見かけた。聞くと、メキシコ系市民の皆さんで、女性は15歳になると日本の成人式のようなお祝いをするのだという。「写真を撮ってもいい?」と聞くと、「もちろん!」とポーズを取ってくれる。まだ15歳だというのに、彼女たちは華やかなロングドレスとメイクアップで大人びて見えた。「とってもビューティフルね。おめでとう!」というと、「ありがとう!」と笑顔で返してくれる。
何人かに写真を撮らせてもらって、ふと気がつくと、白いドレスで記念写真を撮っている女性が。成人式かと思いきや、隣の男性にピッタリと寄り添っている。つか、ウエディングカップルじゃないの! 成人式の女性達があまりに華やかなので、まっ白なドレスが際立っていた。カメラを持って一生の思い出を撮影している男性も真剣そのもの。幸せそうなカップルを見ていると、こちらにも幸せな気持ちが伝播してくる。やっぱりウエディングはステキ!
こんなこともあった。所変わって中東はイランの首都テヘラン。ホテルに到着するとロビーが騒がしかった。ウエディングパーティがあるのだと言う。おしゃれをした人々でロビーはごった返していた。どんな結婚式なのだろうと興味津々ではあったものの、会場となっているボールルームに入れるわけもなく、ひとまずチェックインして部屋へ。そして、夕食に出かけようと外に出たその時、ホテルのエントランスに新郎新婦がいた!
見つけた!! すかさず英語で「写真撮ってもいい?」と聞いてみると、若いカップルだったからか通じた(イランでは英語が通じないことが多かった)! そして、私のiPhoneに笑顔をくれたのだ。写真を撮らせてもらったお礼とお祝いを言って見送ったその、ほんの30秒ほどの出来事が、なんだかとってもハッピーな気持ちにさせてくれた。その理由はきっと、人生で最高の瞬間を迎えたカップルが発している幸せのオーラなのだと思ったのだった。
2015.01.13(火)
文・撮影=たかせ藍沙