漫画家・イラストレーターの上大岡トメさんによる最新作『マンガで解決 老人ホームは親不孝?』(主婦の友社)は、89歳の父親と85歳の母親が老人ホームに入居するまでの一部始終を描いたコミックエッセイ。後悔しない施設選びのためのチェックポイントとは?(全2回の2回目/最初から読む)
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――『マンガで解決 老人ホームは親不孝?』を拝読して、老人ホームを探すにあたって「介護費用は親のお金で」が大前提というのは、すごく大事なポイントだと思いました。
上大岡トメさん(以下、上大岡) 私もそうでしたが、両親と離れて暮らしていると、「自分で介護できない分、お金がかかってもいいから、いい施設に入れてあげたい」と考えてしまいがちです。
でも、ファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生から「親の介護は親の資産でやるものです」とはっきり教えていただいて、すごく気持ちが楽になったんです。ここは本書でもしっかりお伝えしたいなと思って描きました。
親の資産状況を把握するには?
――一般的には、親にどれくらいの資産があるのかを知らない方が多いと思います。
上大岡 それは畠中先生もおっしゃっていましたね。お金がある人はちゃんと教えてくれますが、あまりない場合は、「そこそこあるから大丈夫」とはっきり言わなかったり、「オレの財産を狙っているのか」などと言いがかりをつけてきたりするケースが多いようです。出せる費用によって選べる施設が変わってくるので、早く手を打っておいたほうがいいと何度もアドバイスをいただきました。
――上大岡さんは、どうやってご両親の資産を調べたのですか。
上大岡 うちは両親が資産状況を1冊のノートにまとめていたんです。預貯金はもちろん、生命保険や年金、不動産などを手書きでノートにまとめていました。しかも数年ごとにきちんと更新してくれていたので、ずいぶん助かりました。
――そのノートの存在は、いつお知りになったのですか。
