旅館道 その2
「ゆっくりと温泉やスパを楽しんで体を調える」
「星のや 軽井沢」には施設内にメディテイションバス、星野エリア内に星野温泉 トンボの湯と2つの温泉施設がある。「星のや 軽井沢」の元をたどれば、大正3年の温泉掘削事業に始まり、翌4年には温泉を開業。古くから、北原白秋や島崎藤村ら多くの文人に愛されてきた歴史ある湯だ。
メディテイションバスは、柔らかい光に包まれた「光の部屋」と暗闇のなかにぼうっと光が浮かぶ「闇の部屋」の2つに分かれている。光の部屋から闇の部屋へは、湯の中の細い通路を伝って行く。静かで暗い空間で湯につかっていると子宮の中はこんなだったかもしれないという不思議な感覚にとらわれる。また、光の部屋では、ポールと浮力を利用した浮遊浴や腹式呼吸をしながら温泉の中で行うストレッチなどの運動を「温泉美養」というアクティビティとして行っていて、水着も貸し出ししてくれる。
星野温泉 トンボの湯は、美肌効果のある弱アルカリ性の湯。内風呂、露天風呂、サウナからなり、ゆっくりと湯を楽しむことができる。立ち寄り湯としても利用できるが、朝の1時間30分は星のやのゲスト専用となる。
右:本格的な指圧の技で、施術の後は体が軽く感じられる。
身体の温まる温泉と併せ、「星のや 軽井沢」が提案するのが“谷の養生”。朝のストレッチ体操、専任の指圧師による本格的な指圧などのメニューを用意し、体の調子を調える美容に向けた滞在型スパプログラムを提供している。温泉とスパ・プログラムをゆっくりと楽しめば、体も心も快調になりそう。
2015.01.10(土)
文=小野アムスデン道子
撮影=鈴木七絵