星野リゾート 界 津軽(後篇)

 温泉を備えた和の宿の魅力を再発見して楽しむための心得「旅館道」を追求するシリーズの3軒目。今回訪れた「星野リゾート 界 津軽」から弘前などを回り、津軽の文化と歴史も楽しみましょう。

この宿からの旅 その1
「大鰐で温泉もやしラーメンを食し、弘前でねぷたにふれる」

醤油のもやしラーメン。大豆部分がしっかりした味。

「界 津軽」のある大鰐温泉の名物は、温泉もやし。その歴史は、江戸時代にさかのぼる。温泉の地熱を利用しているものだが、その大豆の種は門外不出なのだとか。

 その温泉もやしを使ったラーメンを出すのが、「界 津軽」の最寄り駅のJR大鰐温泉駅前にある山崎食堂。2011年に公開された映画『津軽百年食堂』のモデルでもあったそう。創業80年を超え地元で愛される食堂は、名物もやしラーメンほか、定食メニューも並ぶ。もやしラーメンは、チャーシュー、ナルトにもやしがこんもりと盛られている。もやしの豆の味、歯触りともとてもよい。

山崎食堂
所在地 青森県南津軽郡大鰐町大鰐前田34−21
電話番号 0172-48-2134

ねぷたと言えば、三国志や水滸伝などの武者を描いたこちらのイメージ。これは山車灯籠の表側。
山車灯籠の裏側は、実はこんな優しそうで美しい女性が描かれており、見返り絵と呼ばれる。

 津軽の祭りと言えば、やはり壮大な山車灯籠が街を練り歩く「ねぷた(ねぶた)」だろう。弘前城近くには「津軽藩ねぷた村」という観光スポットがあって、ここを訪れれば、ねぷたの雰囲気やその歴史をはじめ、様々な津軽文化を知ることができる。館内には、ねぷたが数多く展示されているほか、津軽三味線の生演奏、コマ回しや灯籠作りといったミニワークショップなどのコーナーもあって、たっぷり楽しめる。

津軽の殿さまが可愛がっていた金魚や干支がモチーフになった提灯やねぷたの絵の展示も。

 津軽弁のなまりの違いから、地域によって呼び方が「ねぷた」と「ねぶた」に分かれる(弘前は「ねぷた」)ことや、語源は夏の農作業の眠さ(津軽弁では「眠い」が「ねぷてぇ」になる)を追い払うために睡魔を灯籠に乗せて川に流したのがその起こりだとか、トリビアもあって地方文化の面白さが分かる。

コマ回しや津軽三味線の生演奏といった地方文化を一挙に楽しめる。

津軽藩ねぷた村 
所在地 青森県弘前市亀甲町61 
電話番号 0172-39-1151
URL  http://www.neputamura.com/

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2014.09.14(日)
文=小野アムスデン道子
撮影=山元茂樹