#28 Madang
マダン(パプアニューギニア)
知られざる秘境リゾートは意外と近い!
“パプアニューギニア”と聞くと、とんでもない秘境を想像しがち。距離的にも、文化的にも、とても遠い未開の地のような……。それが、実は、日本から直行便でわずか約6時間30分で行けるんです。オーストラリアの上、赤道のほぼ真下に位置するパプアニューギニアは、南半球の国々の中でも日本から行きやすく、また、おなじみハワイへ行くよりも時間的に近い!
国際空港のある首都ポート・モレスビーは高層ビルが建つ都会ですし、人々は普通の洋服を着て、ビジネスマンはスーツ姿です。サバイバルな覚悟で訪れたりすると、あらぁ? と肩透かしを食らってしまうかも。
「さすがに、リゾートはないでしょう?」
いえいえ、あるんです。リゾートエリアの代表格は、ポート・モレスビーから国内線で約1時間、ニューギニア島の北東に位置するマダン。ビスマルク海(太平洋)に面する街で、入り組んだ海岸線の向こうには大小の島々が浮かび、内陸側の遠くには雲が中腹にかかった山脈が続いています。
リゾートホテルは素朴なテイスト。快適に過ごせるお部屋があって、おいしい料理がいただけるレストランがあって、美しい自然に恵まれているのが基本形。少しずつ改装を重ね、メンテナンスを行い、大切にリゾートを育てている感じが伝わってきます。ちなみに、セミ水上コテージのあるリゾートもあります。
そんなマダンは、専門家が涙して喜ぶような珍しい動植物の宝庫です。
「マダンクィーン」という蝶や極彩色の極楽鳥、ダチョウに角を生やしたようなヒクイドリ、有袋動物のポッサムなど、日本なら動物園クラスの生き物がリゾートでペットとして飼われていたりします。ふと巨大なレインツリーを見上げれば、葉っぱのように見える茂みがすべてフルーツバットというコウモリだったりすることも。なにかの音をきっかけに一斉に飛び立つときの迫力(恐怖に近いかも!?)といったら……。
2014.10.18(土)
文・撮影=古関千恵子