銀鱗系の魚たちがわんさか群れるワイルドな海

ダイビングの移動中にイルカたちと出会えることも! (C) 鎌田多津丸

 マダンはダイバーの間では知られた場所です。水中もワイルドで、バラクーダやギンガメアジなど、いわゆる銀鱗系の魚たちが高い透明度の中、わんさか群れています。しかも群れを構成している一匹一匹のサイズが大きく、魚影も濃厚。面白いことに、群れの先頭を行く魚と目が合うと、ヤバッという表情を浮かべて、“目が泳ぐ”んです。で、横目でダイバーを見ながら方向転換。そんな魚たちの行く手を先回りして塞いだりして、つい、からかいたくなってしまいます。

カヌーは暮らしに欠かせない移動手段のもよう。

 ダイビングポイントまでのボート移動も、お楽しみ。深いブルーの穏やかな海を進みながら、椰子の木をちょこんと載せた小さな島やジャングルに覆われた入り江を通り過ぎ、たまに木製の手作りカヌーに乗った子供たちとすれ違うことも。そんな時、子供たちは大きく手を振り、こちらに無邪気な笑顔を送ってくれるのです。

ビルビル村での伝統舞踊ショー。頭上に極楽鳥を載せ、貝殻など海の民ならではの装飾を施した衣装で踊りを披露してくれます。

 ところで、パプアニューギニアは、500以上の民族からなる多民族国家。海辺や川沿い、山岳部など住環境に応じて、その民族グループの文化や風習、性格も違うそうです。

 ここマダンは、平和でのんびりとした海の民。各地に伝わる伝統舞踊のシンシン(語源はsing sing)も、山間部では男性のみの闘争的な舞なのに対し、マダンでは女性も踊りに加わり、和やか。ビルビル村を訪れれば、貝殻などで飾った装束をまとった人々による、シンシンを見ることができます。

元気いっぱいのマダンの子供たち。人懐っこく、笑顔を向けてくれます。

 生命力溢れる自然の中で育まれた、豊かな文化に彩られたマダン。ピースな秘境は意外と近くにありますよ。

マダン
●アクセス ポートモレスビーから国内線で約1時間
●おすすめステイ先 マダン・リゾート
URL http://www.madangresort.com/

【取材協力】
PNGジャパン

URL http://www.png-japan.co.jp/

古関千恵子 (こせき ちえこ)
リゾートやダイビング、エコなど海にまつわる出来事にフォーカスしたビーチライター。“仕事でビーチへ、締め切り明けもビーチへ”をループすること1/5世紀あまり。世界各国のビーチを紹介する「世界のビーチガイド」で、日々ニュースを発信中。
「世界のビーチガイド」 http://www.world-beach-guide.com/

Column

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2014.10.18(土)
文・撮影=古関千恵子