全財産をマンション購入につぎ込むのはNG

 自己資金がある場合、住宅ローンに自己資金を加えて予算を出します。しかし、全財産をマンション購入につぎ込むのはNGです。

 A子さんの場合、貯金が450万円ありますが、病気や失業など万一のために最低でも100万円(理想的には200万円)は手元に残しておきましょう。マイホーム購入の自己資金にできるお金は350万円までになります。

 また、物件価格とは別に諸費用が5~10%かかりますので、こちらも自己資金から支払わなければなりません。例えば、2,000万円の新築物件の場合、諸費用は100~200万円程度。トータルの予算は2,100~2,200万円に。借入可能な住宅ローンと自己資金を合わせると2,237万円ですから、物件の予算は2,000万円前後と考えましょう。

 このように予算を立て、その範囲で物件を選べばお金の失敗が少なくなります。よくありがちなのが先に物件を見て、無理をして背伸びした物件を購入してしまうことです。将来の収入増を見込んで年収の6倍~7倍の物件に手を出しても、収入が増えない、あるいは転職などで収入が減ってしまった、ということはあるものです。

 女性の場合、結婚や出産などでライフプランが激変することもあります。そのため、無理のない範囲でマイホーム取得を考えましょう。夫と子どもなどの家族構成や家族それぞれの事情で住宅戦略が変わってきます。

 いかがでしたか? ご自分に近いモデルケースだった場合、ぜひ参考にしてみてください。

花輪陽子 (はなわ ようこ)
ファイナンシャル・プランナー(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)。元外資系の投資銀行に勤務。リーマン・ショックの際に夫婦同時失業を経験しFPに転身。著書に『貯金ゼロ借金200万円! ダメダメOLが資産1500万円を作るまで』(小学館)、『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)、『「貧困女子」時代をかしこく生きる6つのレッスン』(角川書店)、『「手取り10万円台の俺でも安心するマネー話を4つください。」』(祥伝社)など。「ニコニコ生放送」などのメディアにも出演。

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オフィシャルサイト http://yokohanawa.com

Column

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2014.07.27(日)
文=花輪陽子
写真=AlexRoz(shutterstock)