習慣化のカギ(3)暴飲暴食を防ぐテクニック
「暴飲暴食を防ぐテクニックとして参考にするといいのが、『おでこをトントントンとタッピングするだけで湧いてきた食欲が解消できる』という、ニューヨーク市聖路加病院ウェイルらが行った研究です。
タッピングは、おでこ以外にも、眉毛、目尻、目の下、顎、鎖骨などに行うEFT(感情解放法)と呼ばれるストレス解消法で、その効果についてさまざまな議論がされています。
ベングリオン大学のクロンドが行った、EFTに関する過去の研究を総合的に検討した『メタ分析』(複数の研究結果を統合し分析すること)では、EFTは不安解消に効果があると結論づけています。ストレスや不安を感じたときは、30秒ほどおでこをトントンと叩いてみてください」
習慣化のカギ(4)間食を控えるようなナッジを作る
ちなみに空腹になると、心の安定と深く関係する幸せホルモンのセロトニンが減少するそうです。イライラするのはこのためで、セロトニンが不足すると、うつ病や不眠症などの精神疾患に陥りやすいと言われているので、「無理をして空腹を我慢するのはやめたほうがいい」と堀田さんは助言します。
「ダイエットをするときは、間食を控えるようなナッジを作るといいでしょう。たとえば、小袋に分けておく、お菓子を買わない、間食しなかった日を共有できるグループチャットを作るなど。
習慣づくりは、環境づくりとも言い換えられます。脳の仕組みを知って、無理のない生活習慣をデザインしてみてください」
気合いや精神論は、一切なくても大丈夫。科学的根拠に基づいて、できる範囲から習慣を見直してみてはいかがでしょうか?
堀田秀吾(ほった・しゅうご)
明治大学法学部教授。専門は法言語学・心理言語学。科学という切り口から自己啓発、ストレスコントロール、自己管理、コミュニケーションなどの著書を国内外で70冊以上刊行している。最新刊に『科学的に証明された すごい習慣大百科』。

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